内容説明
1954年3月1日、米国がマーシャル諸島・ビキニ環礁で実施した水爆実験によって生じた「死の灰」で、その近海で操業していた延縄漁船「第五福竜丸」とその乗組員などが被ばくした。この「ビキニ事件」を発端に、東京の「杉並の主婦」による、原水爆反対運動が始まったとされる。教科書採択問題などで一住民としてたたかってきた筆者は、数多くの資料や、当時を知る杉並区民への聞き書き証言を通じて、署名運動が誕生した背景や歴史、そして「発祥の地・杉並」「リベラル杉並」の実態を明らかにし、署名運動成功の真実と住民運動・平和運動の大切さを訴える。長らく絶版だった名著が新装版となってここに復刊!
目次
序章 研究の視座―まえがきにかえて
第1章 戦前・戦中の杉並区
第2章 敗戦と杉並の市民活動
第3章 戦後杉並区政と社会教育
第4章 占領政策の変化と杉並の市民活動
第5章 安井郁・田鶴子夫妻と杉並の主婦たち
第6章 ビキニ水爆実験と報道
第7章 ビキニ水爆実験の影響と立ち上がる運動
第8章 杉並区の原水爆禁止署名運動
終章 私たちが将来へ受け継ぐこと
著者等紹介
丸浜江里子[マルハマエリコ]
1951年、千葉県生まれ。横浜市立大学文理学部文科(日本史専攻)卒業後、東京の公立中学校社会科教員を勤める。退職後、杉並区の中学校社会科教科書採択問題に直面し、教科書をめぐる住民運動に参加した。2004年に明治大学大学院文学研究科に進学し、杉並でおこった最大の住民運動である、原水爆禁止署名運動をテーマに研究を始めた。2006年、この研究の継続を期した「第1回平塚らいてう賞奨励賞」を受賞。『“日本・中国・韓国共同編集”未来をみらく歴史』(高文研、2005年)の教材委員を務めた。歴史教育者協議会会員。2017年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- エネルギーと新国際秩序