内容説明
今から100年前に起きたロシア革命によって生まれた「ソ連」という国はどういう国だったのか。この問いへの答えは一見したところ自明に見える。たしかにそれが行き詰まって終焉を迎えたという事実は否定しがたい重みをもっている。しかし、結論があまりにも自明であるために、具体的な歴史的経過の検証はかえっておざなりに片付けられているのではないか。かつて盛んだった親ソ・反ソ双方のイデオロギー論争は真に克服されたのではなく、単純に忘れ去られたのではないか。本書はそうしたイデオロギー論争を蒸し返すのではなく、「ソ連」という国を歴史的展望の中におき、その終焉過程を考察する。
目次
第1部 ロシア革命と現代―革命百周年に考える(一九一七年と一九九一年―ロシア革命百周年に寄せて;ポスト社会主義の時代にロシア革命とソ連を考える)
第2部 後期社会主義・ペレストロイカ・冷戦終焉(「後期社会主義」という時代―政治人類学的試論;ペレストロイカからソ連解体へ―過程と帰結;ペレストロイカおよび冷戦終焉に関する最近の研究動向―トーブマンのゴルバチョフ伝とサーヴィスの冷戦終焉論を中心に;冷戦の終焉過程―冷戦史再考の試み)
第3部 ロシア・ソ連史研究と歴史学(日本におけるロシア史研究の歴史―ロシア史研究会五〇周年に寄せて;E・H・カーのソ連史研究;ロシア革命はどう記念されてきたか―アニヴァーサリー・イヤーの歴史)
著者等紹介
塩川伸明[シオカワノブアキ]
1948年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院社会学研究科国際関係論専門課程博士課程単位取得退学。東京大学大学院法学政治学研究科教授を経て、2013年より東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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