内容説明
一九九〇年代以降の日本近代史研究に大きな足跡を残した歴史家・牧原憲夫。その研究の中から牧原史学のエッセンスが詰まった代表的な論文を精選して収録。下巻は、国民国家論をめぐって展開された著者の文明化・国民化についての論考と、田中正造と山代巴を対象に歴史のなかの個人を論じた論文などを集成。国民国家論への批判に対して、みずからの理論的立場や歴史に対する姿勢を語ったものや、著者が長きにわたって関心を持ちつづけた山代巴に関する論考には、牧原史学の発想と方法が色濃く反映されている。
目次
5 国民化の回路―文明化・祝祭・天皇(文明開化論;万歳の誕生;巡幸と祝祭日―明治初年の天皇と民衆 ほか)
6 国民国家論への問題提起(私にとっての国民国家論;国民国家の発見―『幕末・明治期の国民国家形成と文化変容』を手がかりに;国民国家における重層性と相互浸透をめぐって―『世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成』を読んで)
7 歴史のなかの個人―田中正造と山代巴(田中正造―被治者と治者のはざまに;日常茶飯に人権の折り目を―山代巴さんの「戦争反省」の実践に学ぶ;連帯と黙秘と―山代巴の運動論 ほか)
著者等紹介
牧原憲夫[マキハラノリオ]
1943年8月生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京都立大学、法政大学、早稲田大学等の非常勤講師を経て、1997年4月~2007年3月東京経済大学経済学部教員。2016年7月永眠
藤野裕子[フジノユウコ]
1976年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、東京女子大学現代教養学部准教授
戸邉秀明[トベヒデアキ]
1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、東京経済大学全学共通教育センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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