出版社内容情報
近現代の神道的な天皇墓は本当に「日本の伝統」なのか?文献資料や考古資料、民俗資料を駆使して、古代から近現代かけての天皇墓の…近現代の神道的な形式による天皇墓は、他の時代の天皇墓と比較して明らかに異質である。これは前近代の再編成なのだろうか、それとも前近代との断絶なのだろうか。本書は、文献資料はもちろん、考古資料・民俗資料をも利用し、さらには武士墓や庶民墓などとも比較しながら、古代から近現代にかけての天皇墓の全体像を通史として叙述する。天皇墓の変遷をたどることにより、その変容の意味や政治と民俗との相関関係を考える。
序――天皇墓の課題と比較史の方法
? 古代――火葬墓制の形成
1 仏教受容と火葬のはじまり/2 浄土信仰のなかの仏教儀礼的火葬
? 中世――天皇の「西方極楽」往生?
1 仏教的火葬儀礼の形成/2 中世天皇墓からみた「両墓制」と民俗的火葬墓制/3 「両墓制」についての仮説/4 泉涌寺と深草法華堂
? 近世――天皇の「西方極楽」往生?
1 中世的秘儀の解体/2 火葬の停止と遺体槨納葬/3 武士墓の遺体槨納葬と庶民墓の遺体埋葬
? 天皇墓の明治維新――神道式跪拝への転換
1 「玉体」の誕生/2 八角台形の孝明天皇墓/3 天皇墓の神仏分離と人格神の新造/4 「皇霊」祭祀の新造
? 近現代?――神葬祭の様式的完成
1 近現代皇族墓の新造/2 帝室制度調査局の天皇墓・皇族墓原案/3 明治天皇の遺体槨納葬
? 近現代?――近現代天皇墓の完成
1 国葬令・皇室喪儀令・皇室陵墓令の制定/2 大正天皇墓の円形ドーム/ 3 火葬による神葬祭
結――政治と民俗
岩田 重則[イワタ シゲノリ]
1961年生まれ、中央大学総合政策学部教授
内容説明
近現代の神道的な形式による天皇墓は、他の時代の天皇墓と比較して明らかに異質である。これは前近代の再編成なのだろうか、それとも前近代との断絶なのだろうか。本書は、文献資料はもちろん、考古資料・民俗資料をも利用し、さらには武士墓や庶民墓などとも比較しながら、古代から近現代にかけての天皇墓の全体像を通史として叙述する。天皇墓の変遷をたどることにより、その変容の意味や政治と民俗との相関関係を考える。
目次
序―天皇墓の課題と比較史の方法
1 古代―火葬墓制の形成
2 中世―天皇の「西方極楽」往生(1)
3 近世―天皇の「西方極楽」往生(2)
4 天皇墓の明治維新―神道式跪拝への転換
5 近現代(1)―神葬祭の様式的完成
6 近現代(2)―近現代天皇墓の完成
結―政治と民俗
著者等紹介
岩田重則[イワタシゲノリ]
1961年静岡県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)博士後期課程単位取得退学。博士(社会学。慶応義塾大学社会学研究科)。現在:中央大学総合政策学部教授。専攻:歴史学/民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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