内容説明
コタツに潜りこんで観た紅白歌合戦、バスで行った映画館、格好の遊び場となった新道路、乾物屋の無愛想なオジさん、爽快な入場行進と空に描かれた五輪マーク…。思い出す1コマ、1コマの光景。
目次
63年の大晦日の風景
64年の正月と八波むと志の死
吉永小百合と草加次郎
舟木一夫がアイドルだった
巨人少年のファン手帳
柏鵬と三羽ガラスの時代
シール・ワッペン・切手少年
忍者というヒーロー
オリンピックの頃の東京風景
平パンと007とビートルズ
夢の超特急とミコとマコ
オリンピックがやってきた
著者等紹介
泉麻人[イズミアサト]
1956年、東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、東京ニュース通信社に入社。テレビ雑誌の編集者を経てフリーに。東京、昭和、サブカルチャー、街歩き、バス旅などをテーマに数々のエッセイ、コラムを発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
80
サビタイトルは「前の東京オリンピックのころを回想してみた。」著者が昭和に過ごした子供の頃は他の本でも紹介されている。紅白歌合戦、正月、野球や相撲、切手収集オリンピックのこと他。テレビ番組について語られているが都会に住んでいた少年たちは別として地方に住む私達にとってテレビのチャンネルがNHK2局、民放が1局しかなかったのはざんねんだった。大阪の親戚に行ったときつくずく思ったものだ。今年はオリンピックイヤー、小学生の子供たちの目にどのように映るだろう。図書館本2020/02/17
阿部義彦
17
2019年刊行。三賢社と言う初めて聞く出版社から。泉麻人さんは、私より五歳上ですが。この時代での五歳の年齢差はかなり大きいと感じた。主に東京オリンピックの頃を回想しているが、この時著者は小学二年、私は二歳ですから、何も覚えてないに等しいですもんね。当時のアイドルが舟木一夫で憧れたそうで髪型までまねたとか、自分は断然新御三家世代ですね。NHK人形劇では、ひょっこりひょうたん島は見てましたがその前のチロリン村はうろ覚えです。趣味では切手には自分もハマりました。『平凡パンチ』が輝いていた時代でした。2024/04/13
hitotak
11
1964年、東京オリンピック開催年に小1~小2の頃を過ごした著者の思い出のあれこれ。当時人気だったテレビ番組やタレント、スポーツ選手、まんが、子供の間で流行った遊びなどについて語られている。記憶だけではなく改めて調べて描かれた部分も多く、著者の生活環境や趣味を基に回想が展開しているので少し偏りはあるが詳細だ。まだ土管が置かれた空き地や狭い路地があちこちにあった、当時の東京の町や商店街の様子を書いた部分や、オリンピック開催期間のこぼれ話が面白かった。2020/04/12
紙虫
6
同世代の人間にはこの上なく共鳴する事物を綴った筆者お得意のネタ羅列本。ニヤリとしたりあるあるではあるのだけれど、感動はなく、意外と軽く読了。まあこの軽さが泉サンなのかな?2020/04/05
zag2
3
泉さんとは、ほぼ同年代のため、テレビ番組など実に懐かしく思い出した。当方は田舎の子供だったので、東京の街の様子は「そんなもんかいな」という程度の感想だが、ともかくも「三丁目の夕日」の世界のあれこれが、淡々と記されている。この「淡々と」感は、1990年前後にテレビ探偵団の「私だけが知っている」のコーナーで、著者が本名で解説をしていた雰囲気と変わらないなあと、これまた懐かしく思いだした。2020/07/17