目次
諏訪信仰の性格とその変遷―諏訪信仰通史
薩摩の諏訪信仰
翻刻『諏訪祭禮之次第記』
穴巣始と外来魂―古諏訪祭政体の冬期構成
山中謝肉祭へ―古諏訪祭政体の空間構成
諏訪神社下社祭政体の研究(1)
ちかとさま
千鹿頭神へのアプローチ
日光地方の千鹿頭神
祖父真幸の日記に見る神長家の神事祭祀
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
33
【諏訪3】諏訪三部作の第3巻。4年間にわたる研究会は、次第に深く広くなっていく。3点だけ記すと、まず深さ。諏訪の生き字引の今井野菊さんの聞き書きから始まったアマチュア研究会は、次第に古文書解読へと向かう。深く読み込んでいくのだ。例えば、室町時代の「諏訪大明神画詞」に描写された祭祀(秋尾御狩神事←三日三晩鹿狩り・饗宴・交易・芸能が山中で行われ祭事が終われば人気のない野原と帰す)に、「日本の<屋根>の中部山岳地帯の八ヶ岳西麓の大扇状傾斜面全体を<大庭>として」「赤石山脈(南アルプス)の北端の守屋岳に沈んで↓2020/03/16
ますりん
3
三部作の続き。重層的に塗り固められた現在の諏訪から、一枚一枚薄皮を剥がしていくような検証の記録。狩猟~移動農業~定住農業の流れ。ミシャグジ/ソソウ~洩矢神~千鹿頭神~タケミナカタ神の流れ。縄文世からの現住民と物部氏-守矢氏ライン、阿蘇氏-神氏ライン、坂上氏-金刺氏ラインの流れ。坂上田村麻呂の東征や鎌倉幕府の介入、江戸藩政、明治維新、そして太平洋戦争。日本海側から姫川を上ってくる者たちと太平洋側から天竜川を上ってくる者たち。これらの要素が幾重にも織り込まれて現在の諏訪があることを三部作を読んで改めて実感。2025/03/01
Juichi Oda
2
諏訪エリアに移住して8年目を迎えようとしている私。それまでの関西とは一風違う神さまたちに触れて感じたり、考えたりしているうちに、諏訪の神さまの謎に対する興味がどんどん大きくなってきた。その謎に半世紀も前から果敢に挑戦している古部族研究会がまとめたシリーズ。かなり難しいけど、ついに着手!今回読んだのは諏訪信仰に関する通史的考察、諏訪明神の祭祀の中心・御射山御狩神事、千鹿頭神に関する話、を抜粋して読んでみた。諏訪の祭政はやはり手強い。でもそれだけに、ますます面白く思えてきた。2023/02/10