出版社内容情報
著者自身の印刷・製本により少部数のみ制作された幻の私家版詩集を復刻。解題=岸田将幸。「詩の雨が降っている。とうとうやって来た詩の雨が降っている。ひたすら詩の雨が降っている。詩の風景は、詩が書かれることによってその都度、更新される。しかし圧倒的なヴィジョンの顕れ「月膚に千々ノ草花、むさぼる観音の瞳」によって詩の風景にとうとう、革命的な?光?が顕れたのである。詩の風景は開け放たれた」(岸田将幸)
非祈
融祝、救いなく蒼い空から呼破
冬覚なき命脈、護られない此の地庭をただ、舞う
何故なら言葉は、深淵へ届くものであり、深淵から届くものだからだ
雪夏の羽撃きが吐く焔塵、玄冥
悲翔、来世喰う海、地鎮の手
真想、破戒律
残想、核ノ花、散ることなく
(破天)、…、母なる故郷のために、わたしたちは還ってきたと、わたしは言うことを赦されない
美しくもない翼の屑、骨の日々
遙かなる光郷ヘノ黙示
異群-光郷ヘノ黙示
蒼祈
解題=岸田将幸 救済なき救済、そしてふたり
菊井崇史[キクイタカシ]
著・文・その他