内容説明
天皇の批判を投書や怪文書でコッソリ表明。犠牲を顧みる一般市民の非英雄的反体制的言論活動。
目次
昭和12年(1937)
昭和13年(1938)
昭和14年(1939)
昭和15年(1940)
昭和16年(1941)
昭和17年(1942)
昭和18年(1943)
昭和19年(1944)
東京東部憲兵隊資料に見る不敬・反戦的な流言飛語
憲兵司令部資料に見る不敬・反戦的な流言飛語
著者等紹介
〓井ホアン[タカイホアン]
1994年生まれ。小説家・作家・ライター。日本人とパラグアイ人の混血(ハーフ)。埼玉の某大学卒(専門はカリブ史)。2013年よりTwitter上で「戦前の不敬・反戦発言Bot」「神軍平等兵奥崎謙三Bot」などを運営中。小説家としてはJuan.B名義で電子書籍を刊行中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メロン
6
タイトルの通り、戦前日本の皇室への不敬発言集。便所の落書き井戸端会議、地方議会、先生の発言…昭和の市民たちがついうっかり言ってしまったり、共産主義者が書いた落書きやビラ逆に右翼の陰謀論など様々な不敬発言があり当時の世相を垣間見えて面白い。宿屋で、「平民しか泊まっていないから俺が皇族になってやろう」と言って天皇と宿泊名簿に記載した悪ふざけや実力のあるものをドシドシ天皇にするべきだなんて少し笑ってしまうものも多い。アカっぽい物が一番多くはあったが当時を理解するためのコラムも挿話されているので大変勉強になる。2025/04/29
秋津
4
生きづらい世の中を生きる庶民の呟きと、それに対する権力による監視の記録を通じ、ユニークな視点から当時の人々の姿の一端を窺い知ることができた。本書で紹介されている呟きの中には主義主張とはほど遠い荒唐無稽な噂レベルのもの、戦死者遺族の不満、「カッとなった」末と思われる行動なども多くみられ、却って生々しい庶民の生活やそれに対してもなされる監視・抑圧の様子、そして彼らの関心・興味の対象や行動の元となる「天皇(制)とは何か」と考えた。2019/10/02
ひるお
1
便所の落書き、謎の投書、流言飛語ーーー戦前の特高警察が記録した“不敬発言”の数々。暴力行為を思わせる直接的なものから、これが不敬? と驚くような他愛ないものまで様々だが、何より恐ろしいのは暴力行為の暗示ではなく、雑談や落書きレベルのものまで庶民の表現が監視され記録されていたという事実だ。コラムや図像、編著者のコメントなども充実。戦前・終戦直後の雰囲気を感じ取り、再認識するにはもってこいの一冊。2022/11/19
ゐ こんかにぺ
1
「実力のあるものをドシドシ天皇にするべきだ」 戦時下を生きていた人の本音がしれて面白い。 ある意味今より自由では?と思ったり、特高もこんなのに対して真面目に捜査しやんなんの・・・と思わせられたり。2020/05/17
Sin'iti Yamaguti
0
終戦後、例の「朕はたらふく食ってるぞ、汝人民飢えて死ね」が不敬罪として有罪になった、ということは驚き。大赦でお茶を濁したが、これは無罪ということではない。有罪だが、特別に刑は執行しないでやる、という。。。日本は不思議な国だ。2024/09/22