内容説明
確かに最初の頃は下請け業者による横流しや流用、模倣が溢れていた。しかし限られた条件の中で時代の政治状況に左右されながらも、創意工夫によってそれは独自の進化を遂げていた。パクリの一言では片付けられない、韓国アニメの魅力を完全解説!!「かに三匹」の名で知られる韓国アニメ研究家がストーリー、背景を解説、影響元やキャラクターを分析、作品を批評する。
目次
第1章 テコンVシリーズ完全解説
第2章 韓国ロボットアニメ完全解説
第3章 韓国ヒーローアニメ完全解説
第4章 韓国反共アニメ解説
第5章 韓国いんちきアニメ解説
第6章 その他の韓国アニメ解説
著者等紹介
かに三匹[カニサンビキ]
事務系会社員。1970年生まれ。評論系同人誌サークルかに温泉の代表者。同人誌活動だけに止まらずトークライブなどの主催・出演も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
3
生の映像をコレクションしながら自ら見て、これだけの分量と密度の韓国アニメ史にまとめたという労力だけでも、脱帽の力作です。あくまでも同人誌的な作りですが、資料としての価値とパイオニアとしての意義は不動の名作だと思います。もっと日本のアニメ産業史研究が進めば、海外発注と作品内容の関係も明らかになり、本書の価値もより上がると思います。わがままを言えば、韓国の映像文化全体との関係が分かるほどの網羅性や体系性があって欲しかったですが、それは本書や著者に求めるものではないでしょう。あと、資料紹介もあればよかったかな。2022/05/14
ドント
1
力作。韓国アニメはパクリ云々とネタにする揶揄本とは一線を画す、コレクターによるコリアニメ紹介本。本書によって韓国アニメのイメージは塗り替えられる……とまではいかない。何やかや言うてもへっぽこな作品が少なくないからである。でもやはりどんなモノにも歴史が、独特の味わいが、他国や時代との関わりがあるという当たり前のことを教えてくれる。文章がこなれておらず読みにくいが、ヘボな作品アカン作品を扱う手つきにも丁寧さと敬意がにじむ。日本との下請け関係など興味深い話も多く、類書の少ないこの分野でのひとつの道標となる本。2017/11/28