内容説明
かまど神、大黒、恵比寿、荒神さん、寝牛に神馬、狐におかいこ。国宝にも重文にもならず、民家に暮らし、煤と埃をかぶった木彫の神。
目次
コレクション
出会ったのは、「であったもの」
著者等紹介
鶴岡幸彦[ツルオカユキヒコ]
1946年、千葉県茂原市生まれ。東京の大学に学んだ後、千葉県内の高校にて世界史教諭として勤務。2002年の退職後、趣味的生活に入り現在に至る
西岡潔[ニシオカキヨシ]
1976年、大阪府大阪市生まれ。ファッションデザインを学んだあと、二年間海外をめぐり、その間の記録としての写真撮影がきっかけで写真家となる。2012年「マトマニ」で三木淳賞奨励賞受賞。2015年より奈良県東吉野村に住まいを移す。移住者のクリエーターらと設立した「合同会社オフィスキャンプ」に所属。建築・自然・人物など幅広く活躍している。2023年自身のスタジオギャラリーマトマニスタジオを東吉野村に開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
133
素朴すぎて何の神か分からない物も。そういうものほどほっこりしてて良かったりする。 個人のコレクション。家にずらーと神様が並んでるのかな2025/01/28
あじ
21
市井の人々が彫った温もりと丸み。懐や掌で擦れた歳月の照りが、信心の厚さを忍ばせる。宿す存在が繋ぎ止めていたのだろうか。筆者は語る「敬虔な祈りを捧げる善男ではありえなかった。むしろ本音で言えば対極の方向へと気持ちは動くのであった」と。そんな筆者の集大成が本書であり、筆者自身が市井の人である。2025/04/05
ゴロチビ
4
こういうのを信仰の依り代(ヨリシロ)って言うのかな。素朴!としか言いようが無いカミサマ達が一冊に纏められ、こうして眺められるのは素直に嬉しい。思いの籠った物って怖くない?という問いに著者は、これは信仰の遺物だから〜と答えている。昔話だったか忘れたけど、悪戯者が街道の何でもない所に祠を置いたら皆が拝むようになり、何年か後に当人がこれは贋物だからと不敬を働いたら罰が当たった…という話があった。神様は人々の信仰が生み育てるものなのだ。ならばこそ、この本のまるでおもちゃみたいな神々も皆、れっきとした神様なのだ。2025/03/01
四不人
2
少し前に観た「みちのくのかわいい仏たち」という展覧会を思い出す。素朴で下手なんだけど味わい深い。こういうのをみると円空ってのは素朴に見えるけど上手いんだなあ、と思う。2025/04/20
Go Extreme
1
家の神さま、民間信仰の形 民間仏、庶民の身近な祈り 素人の手による稚拙な造形 日常美術館、失われゆくものに光 宇宙人のような山の神 子安観音、母子の慈愛 馬と人の暮らしと馬頭観音 いたずら小僧のような不動明王 生業への願い、蚕神像 恵比寿・大黒、福神の代表格 類なき線彫りの恵比寿・大黒 火の神、釜神、サンスケ 多様な木彫り稲荷狐 撫で牛で家運上昇 牛さんにしか見えぬ牛頭天王 木っ端片のような地蔵 祈る者がいれば仏となる 美より純粋に好きなものを やむにやまれぬ庶民の思い 信仰の対象「であったもの」2025/05/01