内容説明
ギリシャ神殿?大銀行?銭湯!?戦前の職人たちが思い描いた、自由な「西洋」建築。一級建築士が記録した精細なイラスト図鑑。
目次
旧塩乃湯
池田種苗店(旧池田易次商店)
吉田薬局
旧丸山本店
手打ちそば百丈(旧湯宮釣具店)
アートカフェ・エレバート(旧田中屋)
シマノコーヒー大正館(間仁田家)
金田屋リヒトミューレ(旧金田屋洋品店)
旧安室薬局
蜷川家具店〔ほか〕
著者等紹介
宮下潤也[ミヤシタジュンヤ]
1989年長野県生まれ。一級建築士。筑波大学芸術専門学群デザイン専攻卒業後、ゼネコンにて建築設計の仕事に従事する傍ら、2017年より看板建築を題材としたイラストレーションの制作を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ばう
52
★★★関東大震災以後の日本に広まったという日本風の木造の家の、通りに面した部分だけ洋風のデザインのファサードをつけた看板建築。本書では日本全国の看板建築が精緻なイラストで描かれていて、見ているだけで楽しい気分になれます。驚いたのはその殆どが専門の建築家ではなく、町の大工さんや左官屋さんが西洋建築を見様見真似で模倣して作ったものだという事。大正から昭和にかけての日本の職人さんの腕に脱帽です。2020/03/30
りー
30
「看板建築」という言葉は、藤森照信さんとそのお仲間が提案したもの。関東大震災で壊滅した土地に、じゃんじゃん建物を建てなくてはならない、でも、防火と美観も大事→木造建築の正面ファサードを銅板やモルタル等の防火材料で装飾した建築が誕生。多くは町の左官屋さんの職人技。大衆デザイン。著者は看板建築に魅せられ、ゼネコン在職中から写真を撮ってまわっていたそう。写真をもとにCADで製図をし、Photoshopで彩色してイラストを仕上げています。色々ごちゃ混ぜだけれど、美しいものに憧れる気持ちが伝わってくる建築たち。2021/07/23
bluelotus
5
★★★☆☆ 和洋折衷なところと唯一無二なデザインが見ていて飽きない。特にウィーンのセセッションに唐破風という組み合わせが斬新だった(笑)でも一つ一つはこんなに個性的なのに、町並み、景観としてはどこか揃っていた、統一感があったことが不思議。2020/10/09
カナコ
5
町屋建築のファサードのイラスト集。レトロなファサードがたまりません!西洋建築に日本のオリジナルなデザイン部分が混じっていて、古きよき日本の建物たちです。イラストも好みで素敵でした!2020/07/29
相馬
4
一級建築士による看板建築の精密なイラスト図鑑。単なる正面に看板を立ち上げた建物ではなく、西洋建築風のものなどに絞って(定義して)、関東を中止に全国の意匠の素晴らしい建物を紹介している。見ているだけで楽しい。でも既に解体されたものも多い。「看板」建築だから正面の図ばかりなのは仕方ないけど、ホントは間取りも見たかった。2020/02/24