「助けて」と言える社会へ―性暴力と男女不平等社会

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「助けて」と言える社会へ―性暴力と男女不平等社会

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  • サイズ 46判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784908443800
  • NDC分類 367.21
  • Cコード C0036

目次

第1章 追い込まれる女性たち(女性を直撃したコロナ禍―DVとその実態;ドメスティックバイオレンス(DV)とは何か
コロナ下で増加するDV相談と「DV相談プラス」
DV被害者の支援)
第2章 性暴力被害者支援のために(「性暴力救援センター日赤なごやなごみ」の設立;長江美代子さんのお話;片岡笑美子さんのお話;なごみの活動からわかったこと;女性のための女性による相談会;共依存という問題)
第3章 三万八三八三件の被害者から見えてきた性暴力の実態(性暴力とは何か;ある性被害者の証言;アンケート調査の結果から見えてきたこと;刑法の改正と今後;強姦神話と不十分な被害者への支援;声を上げた被害者たちによって変化が始まっている)
第4章 職場における性暴力(セクシャル・ハラスメントの規制;増える就活セクハラ;実態調査の結果から見えてきたこと;NHKのアンケート調査の結果から見えたこと;男性の被害者の経験から見えてくるもの;セクハラは男性問題)
第5章 男女不平等社会とDV・性暴力(平成は失われた時代だったのか;コロナ禍が浮き彫りにした男女不平等社会日本;性被害による社会的・経済的損失;幼少期の被害がその後に与える深刻な影響;「助けて」と言える社会へ)

著者等紹介

大沢真知子[オオサワマチコ]
日本女子大学名誉教授。専門は労働経済学、女性キャリア研究。日本ペンクラブ女性作家委員会委員。東京都女性活躍推進会議専門委員。南イリノイ大学経済学部博士課程修了。Ph.D(経済学)。コロンビア大学社会科学センター研究員。シカゴ大学ヒューレット・フェロー、ミシガン大学ディアボーン校助教授、亜細亜大学助教授・教授を経て日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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セロリ

36
「コロナが明けたら可愛い人が風俗嬢やります」というタレントの発言に、驚愕し嫌悪したこと、今も忘れられない。コロナ禍をきっかけに表に出てきた家庭内の問題の根底に、やっぱり男女不平等社会がある。有史以来世界中で男女不平等社会は続いているが、それでも声をあげ続けて、#me too やフラワーデモに繋がっていく。また2017年の法改正や2023年の閣議決定についても書かれている。法改正で『不同意性交罪』と名称が変わったり、盗撮の禁止が法律で犯罪と明記されたことは、次の一歩に繋がっている。諦めちゃダメなんだ。2024/02/09

katoyann

18
2022年NHKがクローズアップ現代という番組で性暴力をテーマとした内容を放送し、その際に性暴力に関する調査アンケートに協力した著者が性暴力の実態を分析した本。性被害を受けると50%以上がPTSDを発症し、そのことにより安定した雇用が得られなくなると警告する。アンケート調査から類推した性被害による逸失賃金の総額は8兆円にのぼると分析されている。10代で性被害に遭ったと答えた女性は75%にのぼる。筆者は男女間賃金格差の大きい社会では、男性が女性を力で支配して良いという価値観が蔓延りやすいと警告を鳴らす。2024/05/25

おおかみ

11
著者は女性のキャリア研究を専門とする労働経済学者。NHKのアンケート調査に寄せられた3万8000件超の回答から見える性暴力被害の実態、90年代以降の性暴力被害者支援の歴史、コロナ禍で女性が置かれた状況、そして先般の刑法改正の議論といった広汎なテーマを一気呵成に展開しつつ、全てのテーマに通底する日本社会の「女性観」を浮き彫りにする。もとより問題は多岐に及ぶのであって、たとえば司法の側面からの論考は必ずしも十分ではないが、それでもなお通観することの利点が大きい。様々な立場の人に読まれるべきである。2023/07/04

おさと

3
強い家父長制の社会、男女不平等。その中に埋もれてしまう、無きものにされてしまう性差別。今でこそ、法整備されてきたり認知もされてきているけれど、まだまだ足りない。目を見張るような事例があって、私の中でこの問題の深刻度が増した。2023/11/15

takao

2
ふむ2023/12/26

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