感想・レビュー
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いぬかいつまき
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昨年世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一、崎津集落を中心に、天草地方のキリシタンの苦難の歴史と逸話を紹介する書。著者は地元出身の郷土史家で現在は崎津でガイドを務めているとあって、さすがに博識。地元愛と何より勉強熱心さに頭が下がる。天草と聞くとどうしても島原・天草の乱、カクレキリシタン、迫害と殉教の島という暗いイメージが拭えないのだが、実際は古来より国内のみならず海外にも開けた陽性の土地。崎津教会の周囲の舟宿の三味線の音が迷惑だったという神父の逸話が面白い。2019/08/22