内容説明
げんげんげんこつげんたろう。だれにもいわないおいらのきもち。じっくりよむと絵からおはなしがみえてくる…。
著者等紹介
くすのきしげのり[クスノキシゲノリ]
1961年徳島県生まれ。小学校教諭、徳島県鳴門市立図書館副館長などを経て、現在は児童文学を中心とする創作と講演活動を続けている
伊藤秀男[イトウヒデオ]
1950年愛知県生まれ。画家、絵本作家。『海の夏』(ほるぷ出版)で第41回小学館絵画賞、『けんかのきもち』(柴田愛子文、ポプラ社)で第7回日本絵本賞大賞、『うしお』(ビリケン出版)で第2回JBBY賞、IBBY(国際児童図書評議会)オナーリストなどの受賞作のほか、作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
104
思わず握り拳を作ってしまう男の子の気持ちが切ない。子供でもやりきれない気持ちや、怒りを感じることはあるだろう。大人のように、気持ちを切り替える方法を知らないので、自分の中の否定的な感情をどうしていいか分からなくなるのだ。そのあたりの苦しい状態を、この絵本は鮮やかに描き出している。何度も泣きそうになる男の子の表情に胸が痛くなった。それでもこの絵本はハッピーエンドをむかえる。彼が友達と仲直りする時の、二人の輝くような表情がまぶしい。2016/11/17
ゆか
40
皆さん、ちゃんと読み取れたんですね!流石ですね。私は、恥ずかしながら、付録でついている概説を見て、やっと理解できました。男の子は、特に言葉が少ないから、あとからわかることがあったりしますよね。まわりの大人がきちんと理解してあげることが大切なんですね。家の男の子達は、大きくなってしまったので(今じゃ妹の親のようになってしまっている)とても懐かしい気持ちになりました。2016/02/11
anne@灯れ松明の火
26
新着棚で。迫力ある表紙。伊藤秀男さんの絵は、本当に強烈だなあ。実は、ちょっと引いたぐらいだが、くすのきさんのお話だとわかり、手に取った。言葉を最小限に抑えてあり、まさに絵に語らせている。ちょっとわかりにくいところもあったが、最後まで読むと、よくわかる。ラストもこの話ならではで、いい。2016/03/11
gtn
20
拳を振るう者が強いのでない。他者に優しくできる人が強い。それを教えてくれたのが先生と母。2022/03/24
遠い日
18
心の拳を開かなければ、仲直りはできない。わかってはいるけれど、からかわれたことに腹をたて、しばらく許せなかったげんたろう。心をこめて描いた絵の意味とその思いがいじらしいなぁ。2016/04/04