出版社内容情報
レーニン折田先生、進々堂のモーニング、着物姿の魚類生態学の泰斗、下鴨神社のハシボソガラス夫婦、三条「ピアノ」で頼むサイドカー…1992-1997の京都大学とカラスたちをめぐる科学+学園エッセイ。
“今でこそカラスを研究するカラス馬鹿な私だが、最初から「カラスの研究がしたい!」と思っていたわけではない。ごく漠然と、「動物でフィールドワークやりてー」と思っていただけだ…
「かなり事実に基づく、でもどこまでが本当かはよくわからない、一学生が過ごした京都」と思って読んで頂ければ結構である。京大という謎の空間、そして京都という底知れない町には、それくらいの怪しげな物語が丁度いい。”(はじめにより)
【著者】
松原始(著、スケッチイラスト):理学博士(京都大学)。東京大学総合研究博物館インターメディアテク学術研究部門特任准教授。専門はハシブトガラスおよびハシボソガラスの生態、行動、進化。主な著書としては「カラスの教科書」(2012年雷鳥社/2016年講談社文庫)、「カラスの補習授業」(2015年雷鳥社)などがある。
植木ななせ(イラスト):イラストレーター、旅するミシン店店主
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
96
(2028-59)【図書館本】「カラス屋」松原先生の青春日記。京都での学生生活って憧れるなぁ。大学生活って一番楽しかった頃だ。もちろん国立大の理系の学生には華やかなキャンパスライフなんでものは無い。でも金は無いけど、時間はあっていろんな思い出がある。そして京大の名物教授達の講義も面白い。レポートに「クジラは魚であるって嘘を書いてな、真面目に調べて、〜やから哺乳類ですって書いたら落とすからな」って。自分のキャンパスライフを思い出しながら読みました。ほんの数(十)年前のことなのに遠い日のようだ。(笑)★★★★2023/06/21
瀧ながれ
24
松原氏の京大時代。なんだか昔懐かし感を覚える情景で、いつごろのことやろかとプロフィールをみたら、わたしと同い年だった。わたしが友人と壬生寺近くで「ここを土方歳三が!」と道をぺたぺた触ってたころ、若き松原青年は、糺の杜のカラスを見上げていたのですね。なんだか感慨深いです。京大の校風がこんなにおもしろいのか、生物学専攻の人たちがおもしろいのか、理系でも勉強好きでもないのに、京大通ってみたかったと思うエッセイでした。描かれたいろんな風景が、もう失われてしまったというのもまた、しみじみと感じます。2017/06/17
たまきら
16
カラスの教科書があまりにも楽しかったので借りてみたら、著者が京大の学生だった頃の話。四浪ってすごいなあ!ご両親もすごい。この間たまたま「京大は奈良の人が多いんですよ」みたいな話を聞いていたのでにやり。カラスよりも京大という教育機関の雰囲気を楽しみました。こういうの、いいなあ!折田先生のネタがいい!グーグル検索しちゃった。2017/05/12
もだんたいむす
5
コミカルな文体と絵がとても良かった。ユーモアたっぷりで、スイスイ読み進められてとても面白かった。著者の釣愛、京都大学学生たちの折戸先生像への愛がよく分かった。2022/10/08
Koichi Yamashita
3
著者の大学時代の行動の本?(笑)よく知ってる場所なので面白く読めた2022/10/05