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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
130
タイトルから本文に入ると当然のごとくに浮かんできたパイプオルガンの響き。それをBGMに、語られていく個を没する思想とそれへの反論を読んだ。書かれた時代から未来を見据えたディストピア。未来を描いたようでいて、みえるのはその時代の恐怖。今の時代は、どうだろうか。アイン・ランドが今筆を取れば何を描くか。根底は同じなのかもしれないな。2019/09/03
ヘラジカ
41
前々から気になっていたアイン・ランド。実は何冊か揃えているのだが、有名な作家だけにどうしても手をつけられずにいた。こちらは、本国でもパンフレット形式で書籍化されていたことがあるくらいなので、邦訳版もカバーがなく非常に薄い。しかしその薄さからは想像もできないほど読み応えのある美しい作品だった。内容はというと今となってはオーソドックスなディストピアSF。それが聖書の創世記を彷彿とさせる古風で美麗な表現によって、非常に端正な作品となっている。「私」という自我を持てる世界の素晴らしさ。香港はどうなってしまうのか。2019/06/13
おおにし
15
アイン・ランドは以前から気になる作家であるが、難解な長編小説であろうと敬遠してきた。しかし、アインがこんな短編を書いていたとは知らなかった。個性を無くした人間が住む未来社会を描いたディストピア小説であるが、ストーリーが単純すぎて正直面白くなかった。「アンセム」は長編の構想を練るために書いた習作で、アインの面白さは長編を読まなけれなわからないらしい。いつか「肩をすくめるアトラス」を読んでみたい。2019/07/15
もりたのちゃんさえ
3
まず言いたい。全ての本はこういう装丁になってほしい。重度の肩こり持ちでなおかつ移動中に本を読まないと不安で気が狂いそうになるタイプの人間はハードカバーの本が読めないが、文庫は目が疲れるのである。同人誌みたいで威厳もへったくれもあったものではないが、もともと本に見た目の威厳など関係がない、本は中身の文章の羅列を食っては捨てるものだ、本自体の希少性などドブに落とせ、全ての本はもっと軽くなるべきだ。そういうことをまず考えた。ここまで一言も本の内容に触れていない。ワッハッハ。2019/06/26
めがとろん
2
肩をすくめる〜が面白かったので期待してこちらも購入。メッセージ性が強くてアトラスのような読後感にはならず残念。そもそも短いし趣旨が違うんだろうけど。2025/04/23