内容説明
最愛の夫・大介を結婚後わずか三年半で亡くした香菜子。叶わないと知りながら「大介に会いたい」と願う香菜子の前に現れたのは…?
著者等紹介
梶尾真治[カジオシンジ]
1947年、熊本県生まれ。少年時代から小説を書き始め、1971年「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。短編を中心に活動を続け、1979年「地球はプレイン・ヨーグルト」、1992年「恐竜ラウレンティスの幻視」、2001年「あしびきデイドリーム」、2004年「黄泉びと知らず」で星雲賞(日本短編部門)を受賞。長編にもその才は発揮され、1987年『未踏惑星キー・ラーゴ』で熊日文学賞、1991年『サラマンダー殱滅』で日本SF大賞、2016年『怨讐星域』で星雲賞(日本長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
90
何気ない日常当たり前の生活それは決して当たり前ではなく、ある日突然失うかもしれないそう思っていれば一番近くにいる人がどれほど大切か毎日を感謝して過ごさないといけないと分かるのかもしれない。夫を急病で無くした香奈子に夫に会わせてあげられると声を掛けてきた女性に従い「遡時誘導機」デイ・トリッパーによって時を跳ぶ、夫を助けたいしかしタイムパラドックスを起こさないとの約束に苦しみ悩む。しかし未亡人に夫に会わせてあげると誘ってそれについて行くとは現実ならかなり怪しいのではないか、2017/08/28
ウッディ
74
「デイ・トリッパー」と名付けられた心を過去へ運ぶ装置。最愛の夫を病で亡くし、哀しみにくれる香菜子は、ただ夫にもう一度会いたいという想いから、時間を遡る。二人だけの充実した時を過ごし、生前の夫の願いであった温泉旅行にも行き、彼への愛を確信した香菜子は、タイムパラドックスに逆らい、夫が生きる方法を見つけようとする。少し都合の良すぎる物語展開で、夫婦二人共がラブラブすぎるのも違和感がありました。‥けど、平凡な幸せが、明日も明後日も続く保証がないのだから、今を大切にという気持ちになりました。2017/11/16
ちょき
35
WSSF。なんの略かって「和製ソフトSF」って私の造語。それはさておき、夫を突然の病で亡くしてしまい悲しみに暮れる主人公。その後色々あってタイムスリップ(みたいなもの)で過去を絶対変えないという条件でもう一度夫に会いにいくことになる。過去の自分に心だけを移すという便利な機能なのだが、乗り移られた側の自分はその間どうなってたんだろうかなどというのは無粋なのでさておき、最後はなんとなくだが、予定調和的にハッピーエンドになるのだろうなと想像できてしまったというのもさておき、面白かったし楽しめたので全てよし。2017/10/26
assam2005
25
最愛の夫を亡くした香菜子。愛する人のそばにいたい、ただそれだけの為に、時空を越えて会いに行く。以前読んだ「黄泉がえり」と重なるところがあり、やはり純愛よりもSF傾向が強い。希望通りの人生でないなら何度でもやり直せばいいと言うのは、どこか違う気がします。SFはあまり読まないのでピンときませんが、でもそれがSFなのだろうか。それとも、そういうところを突っ込んじゃいけないのがSF?愛する人を想う気持ちは相手に見えてる部分はほんのわずかで、自分が思っている以上に想われ、救われ、愛されているものなのかもしれない。2017/08/23
るっぴ
25
梶尾真治作品、初読み。夫をなくした妻の香菜子が、夫に会いに過去行く話。最後は、やっぱりって終わり方。ここまで愛してくれる人がいることは、素晴らしい。2017/08/17
-
- 電子書籍
- シリーズ「十人十色のしあわせ小箱」 運…
-
- 電子書籍
- アンダルシアの恋人 MIUコミックス