ピカソになりきった男

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784908059452
  • NDC分類 956
  • Cコード C0070

内容説明

ピカソ、ダリ、シャガール…。30年間、贋作を作り続けた男が明かす、美術界の知られざる実態。真作証明書つきで贋作が出回るからくりとは?アート業界の大組織、大物たちが、実名で生々しく描かれる衝撃のノンフィクション。

目次

逮捕された日
娼館の日々と絵心の芽生え
司法取引の結果
路上で生活した青の時代
ピカソとの邂逅
画商たちとの豪遊
大量生産の水彩画家
贋作作家としての試用期間
贋作の正しい作り方
贋作とアート市場
バラ色の飽食の時代
ミステリアスな死と狂い出した歯車
アート市場のからくり
最後の仕事仲間
流れ作業化した贋作制作
逮捕、そして自由の消滅
裁判で明らかになったこと
贋作を失った人生
映画スタッフとして返り咲き
贋作作家のレッテル

著者等紹介

リブ,ギィ[リブ,ギィ] [Ribes,Guy]
1948年7月、ロアンヌ近郊(フランス中東部ロワール県)生まれ。両親は売春斡旋人で、幼少期を娼館で暮らす。8歳で絵に目覚め、以降、絵道具を肌身離さず持ち歩く。路上生活のあと、リヨンの絹織物デザイン工房の職人を経て、フランス海軍に入隊。除隊後、水彩画のアーティストになり、絵で生計を立てるようになる。1975年頃に偉大な画家たちの模倣を始め、1984年、ある人物との出会いで本格的に贋作作家の道に入る。2005年に逮捕され、2010年に禁固4年、執行猶予3年、1年間の保護観察付き処分の刑を受ける

鳥取絹子[トットリキヌコ]
翻訳家、ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

99
”この事件で暴かれるのはごく一部、氷山の一角でしかない。そしてまた、俺の贋作の多くが現在もなお市場に流通しているのも明らかだ。”ギィ・リブ恐るべし。アート業界のカラクリが知れるのもいいが、何よりギィが面白い。贋作と聞くと絵のコピーを想像するが有名画家が描いたであろう新作を創造し画商や鑑定家をも騙してしまう。そこが見どころである。2016/11/10

Willie the Wildcat

65
転機における紙一重の判断。心の喪失の可能性に気付きながらも、喪失するまで気づかない失ったモノの意味。故に逮捕されて感じる安堵感。巨匠への尊敬の念が、いつしか才能を認めてもらえないもどかしさとなる過程と心情の変化。芸術からビジネスとなり、自ら認める”心”の喪失。贋作vs.複製、手段vs.目的。研究心・探究心は認めるも、その心底に霞がかかれば、モノの見方も変わるという感。2017/08/18

アキ

52
今日、地元の公立図書館のビブリオバトルで優勝した!お題は「ミステリー」。この本がチャンプ本になりました!ミステリー本ではないノンフィクション本なのに、なぜチャンプ本になったのか?ピカソは2万点もの作品がある。真作か贋作かの区別は難しい。この著者ギィ・リブはピカソの贋作作家だった。2005年に逮捕されたが、美術評論家は「ピカソが生きていたら彼を雇ったであろう」と評する程の腕前。彼が創作した作品は今も美術館ですまし顔で飾られている。本物と鑑定された贋作が今も存在する。それこそがミステリーではないでしょうか?2019/05/25

おかむら

38
「その朝、俺はピカソだった」。フランスの贋作作家の手記。贋作といっても模写じゃなくて巨匠になりきって新作を描くってとこが楽しい! 画商や鑑定家も絡むアート市場のカラクリが面白い。これ映画化しないかなー米仏合作で。翻訳の文章がこなれてないのがちょっと残念。2017/04/04

つちのこ

36
ピカソやシャガール、ダリやフジタ、マティスなど印象派から点描画、キュビズム、シュールレアリスムまで近代絵画の巨匠の贋作を描き続けたドラマチックな一生を、本人の手記としてまとめている。絵画を学ぶとき有名作品の模写から入るケースは常套だが、それを超える腕前になったとき、作品は贋作の域を超えて巨匠の作品に紛れ込んでいく。それが美術史の一端を担っていくから恐ろしい。背景には裏ビジネスを操る画商やスポンサー、専門家から美術館関係者まで暗躍している。贋作を作ることの罪の意識も薄れ、いつしかプロフェッショナルとしての⇒2024/08/21

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