内容説明
没後25年を経ても、変わらずに評価の高い松本清張の“古代史”。清張古代史のなかから、晩年に近く全集・文庫未収録の作品を含め収録した。
目次
松本清張「論考+エッセイ」(“邪馬台国”史考(日本の古代国家―邪馬台国の謎を探る;玻璃の璧と伊都国;邪馬台国「私説の要点」;吉野ヶ里と邪馬台国の影;逃げ水 邪馬台国)
“記紀・風土記”考(出雲国風土記(抄)
日本書紀をよむ(抄))
“飛鳥と古代アジア”史考(ペルセポリスから飛鳥へ―考察の章(抄)
古代西アジアと「火の路」と))
松本清張“古代史”関連論考・エッセイ・著作等一覧
著者等紹介
久米雅雄[クメマサオ]
1948年、愛媛県生まれ。考古学・歴史学・印学家。1970年立命館大学文学部史学科卒業後、大阪府教育委員会文化財保護課専門職員(考古学・美術工芸)を経て2008年より大阪芸術大学客員教授。2001年立命館大学より博士号(文学)、2010年第4回白川静賞、2013年第15回松本清張研究奨励事業入選、2014年中国西〓(れい)印社名誉社員、元九州国立博物館設立準備室常設展示専門委員、現在、名勝依水園・寧楽美術館評議員、潜伏キリシタン図譜刊行会編集委員、錫安印章文化研究所主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋色の服(旧カットマン)
2
松本清張は邪馬台国論について、九州地域を中国・朝鮮の支配地域と見ていたように思える。それを1982年論文では「直接統治」と書き、十年後の1993年論文では「間接統治」としている。◇これは何となく第二次大戦後のGHQ占領下の日本との相同を見ようとしている視点のように思える。私もそうかなと思っていたのだが、関氏の本を読み、出雲の重要性を指摘されると、疑問も湧く。松本清張も出雲風土記を解題しているのだが。2018/11/10
李商隠
1
清張没後25年を記念して出版された松本古代史に関する瞠目の新著。清張執筆の〈邪馬台国」史考、〈記紀・風土記〉考、〈飛鳥と古代アジア〉史考の三部と歴史学者・門脇禎二の解説と考古学・歴史学・印学家である久米雅雄の「複眼思考と閃きと綜合と」及び著作一覧から成る。特に久米の論考は「印学より視たる松本清張古代史観」の副題をもち、1)国宝金印「漢委奴国王」印の読み方、2)「新邪馬台国論」と「親魏倭王」印と「一大率」、3)松本清張『火の路』と法隆寺所傳香木烙印十字を論じ、通説を覆すその実証的なプロセスは新鮮で興味深い。2017/07/23
inaryoXD11
0
松本清張の本は実は小説を含めて初めて読みました。 冒頭にあるように、没後25年経っても、今なお新しい、まさにそうでした。 邪馬台国と卑弥呼の考え方、そもそも魏志倭人伝とは、それに古代におけるイラン(ペルシャ)の影響など、かなり新鮮でした。 ただ、これで最後だろうなぁ。かなり満喫しました。2018/02/19
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