出版社内容情報
昭和の初めの子ども時代、プロデューサーとして小津安二郎監督のもとで活躍し映画の盛衰と共に歩んだ日々、そして鎌倉の文化の発展に尽力して止まない……。
九十歳を過ぎ、洒脱な筆で時代を振り帰りながらも、将来を見通す深い眼差しがそこにあることに魅了される。
随筆の味わいは、書く人の人生の年輪が刻まれている所だろうが、山内さんの『かまくら 谷戸の風』は、滋味掬【きく】すべしと云うほかはない。春夏秋冬の景色のなかに思いがめぐり、柔らかな涼風を受ける。「鎌倉朝日」連載を月毎に楽しみ、心の糧とされていた方々も多かろう。一冊にまとめられ、再読三読の喜びにひたれることを祝したい。
(鎌倉同人会理事長 富岡幸一郎)
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