内容説明
世俗化した現代社会において、人間に聖性のしるしがどのように刻印され、また見出されうるのか。文学・芸術学・人間学・倫理学・宗教哲学・霊性思想・神学の諸領域から追究した論考9点を収録。
目次
聖性のありかを尋ねて
カッパドキア教父ニュッサのグレゴリオス著作に見る日常の中の聖性―家庭内での修道的生活と聖書解釈の実践
忍耐の模範と論理―ギリシア古典の伝統の場合のいくつかの要素
記憶を語り継ぐための「一般的再現者」
イタリアのシモーヌ・ヴェイユ―映画『ニュー・シネマ・パラダイス』をめぐって
有限の詩学―イヴ・ボヌフォワのボードレール論をめぐって
男の日常を横切る「聖女」―遠藤周作の小説世界における森田ミツ
ひそやかで、ささやかな日常のうちに―現代カトリック教会における聖性のヴィジョン
ヴィクトール・E.フランクルの人間観と宗教観―「意味」の根源としての神
カール・ラーナー『世界の中の精神』における日常の中の超越と「日常の中の聖性」