内容説明
夫で詩人、福間健二監督作品の映画プロデューサーによる食べて、観て、旅した、誘惑するポルトガル紀行。
目次
1 ポルトガルと出会う(国境の村で;アマランテ;アレンテージョの春)
2 ポルトガル、西の果てまで(ニコの食堂;セジンブラ、魚の町;アソーレス、大西洋の孤島群;ポルトガルを食べる)
3 映画のポルトガル(トラス・オス・モンテス;ドウロ川と映画監督オリヴェイラ;世界の始まりへの旅;タブッキのリスボン、映画のリスボン;フォンタイーニャスを探して;ポルトガルのフィルムアーカイヴ;サラヴィーザ、リスボンの闇と光;ポルトガルで映画監督になる)
旅の終わりは、次の旅のはじまり―あとがきにかえて
著者等紹介
福間恵子[フクマケイコ]
1953年、岡山県に生まれる。書籍編集者を経て、1990年頃からエッセイを発表しはじめる。2007年より、福間健二監督映画のプロデュースおよび配給・宣伝を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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アキ
97
映画監督で夫の福間健二と共に、または一人でポルトガルへ2003年から18年にわたって13回も旅している。なぜポルトガルなのか?素朴でおいしい料理、やわらかい言葉の響き、この国の映画、文学、絵画とこの土地で暮らす人々との触れ合いなど徒然に綴っている。アントニオ・タブッキ「レクイエム」をガイドにリスボンの街歩き、小説の中のアレンテージョの郷土料理との出会いも楽しい。リスボンの大衆食堂「ニコ」でバカリャウ(タラ)料理とカルド・ヴェルデ(野菜スープ)を食べてみたい。「旅の終わりは、次の旅の始まりである」サマラーゴ2021/12/11
どんぐり
92
Webマガジンneoneo連載の「ポルトガル、食と映画の旅」から生まれた軽めの紀行エッセイ。著者はポルトガルに13回旅をして18年が過ぎたという映画プロデューサーで、映画監督の福間健二夫人である。ポルトガルに魅せられて語学を学び、旅に出る前はポルトガル映画のヴィデオを見てはその音を耳に響かせ、旅を重ねてきたという。「西の果て」の各地で食したご当地料理を紹介するとともに、食の秘密基地「ニコの食堂」の話や、タブッキのリスボン、オリヴェイラやサラヴィーザの映画に、大西洋に浮かぶアソーレス諸島めぐりまである。→2022/02/03
ぶんこ
41
普通の旅行記を想像していたので、ちょっと違うかな。本の半分近くはポルトガルに行っては不便な交通手段を駆使してのバス便乗り換え話が続きました。途中リスボンの目立たないけれど美味しくて安くて居心地の良い「ニコ食堂」が出てきて、やっと面白くなってきました。私のポルトガルといえば「ポルト」の素敵な本屋さん、「コインブラ」の図書館、「リスボン」の路面電車等々なので、著者との目線の違いに戸惑いました。その中でも旅行記のようで興味を持ったのは「アソーレス諸島」への旅。臨場感があって楽しかったです。2022/04/22
かもめ通信
22
ポルトガルに通うようになって18年、13回の旅をして、滞在日数は220日を超えるという著者が、最初に通ったのはスペインで、何度も訪れてスペインを旅し、スペイン語もマスターしたという。そんな著者が国境をこえて、お隣の国ポルトガルにはなかなか足をのばせなかったのはなぜか。何年も後になって、一人ポルトガルを訪れてすっかりはまってしまうまでのプロローグがまずおもしろい。ただの旅好きでも、ただの食いしんぼうでもない。言葉をマスターし、料理を研究し、日本に帰ってからも彼の地で食べたあの味の再現に余念が無い点も。 2021/11/10
ori
9
ポルトガルは一度行ってみたい国の一つ。とにかくポルトガルを熱愛していることがジワジワと伝わってくる。私もニコ食堂に通って毎日美味しい料理を食べてみたい。そういえば、日本にはあまりポルトガル料理屋さんがないな、なぜだろう?カステラも天麩羅もポルトガルから伝わったのにね。映画ももっと見てみたくなる。オリヴェイラしか見たことないし。紹介されている本も全部読みたい。時間が足りなさすぎる!ポルトガルへの好奇心が大きく開かれた。2023/05/23