収容所のプルースト

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  • サイズ B6変判/ページ数 228p
  • 商品コード 9784907986421
  • NDC分類 950.28
  • Cコード C0098

内容説明

一九三九年のナチスとソ連による相次ぐポーランド侵攻。このときソ連の強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョゼフ・チャプスキ(一八九六‐一九九三)は、零下四〇度の極寒と厳しい監視のもと、プルースト『失われた時を求めて』の連続講義を開始する。その二年後にチャプスキは解放されるが、同房のほとんどが行方不明となり、「カティンの森」事件の犠牲になるという歴史的事実にあって、『失われた時を求めて』はどのように想起され、語られたのか?現存するノートをもとに再現された魂の文学論にして、この長篇小説の未読者にも最適なガイドブック。

著者等紹介

チャプスキ,ジョゼフ[チャプスキ,ジョゼフ] [Czapski,Joseph]
1896年、ポーランド貴族の息子としてプラハに生まれ、1993年、パリ近郊に沒する。ポーランドの画家、美術批評家、エッセイスト。帝政ロシア軍に入隊後、反戦主義を理由に離脱。ポーランドに帰国後、対ソ戦争に従軍。1920年代にパリで絵画修行。1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻とともにソ連軍の捕虜となるが、41年に解放される。第二次大戦後は、月刊誌『クルトゥーラ』の編集に参加し、世界各地で個展を開催するなど精力的に活動した

岩津航[イワツコウ]
1975年、大阪府に生まれる。関西学院大学大学院を経て、パリ第四大学博士課程修了、博士(文学)。金沢大学人間社会学域准教授。専攻は、フランス文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

53
ソ連の収容所で行われた講義をまとめたもの。作者も言うとおり、これは「作品についての思い出を提示したもの」にすぎないのかもしれません。ただ、ここにはあの大作を読むうえで大切な視点が何とたくさん詰まっていることでしょう。時代背景、「比喩のたびに、また別の比喩へと結び付く見晴らし窓が開かれる」その構造、そして死の支配に属さない芸術作品を創造する悦びについて。明日をも知れぬ捕虜たちがこの講義に「聞き入った」のもうなずかれるよう。なぜ私たちは文学に触れるのか、この本はそのことを見つめ直す機会をくれたように思います。2018/04/16

SOHSA

44
《購入本》本書はソ連の捕虜となり収容所で行った著者の『失われた時を求めて』に関する講義ノート。収容所という特異な閉鎖された空間の中で何も手持ちがないにもかかわらずこれほどの講義をなしたことにまず感動した。全体の分量は少なくとも、中身の濃い貴重な資料だ。『失われた…』を読む上で、私自身は必ずしも予めその背景や作者について知っている必要はないと思うが、全てを読了した後に本書を読んだことで今までぼんやりとしていた景色が突然鮮やかに立ち上がってくる感覚に襲われた。改めて『失われた…』を再読したい衝動に駆られた。2018/07/20

星落秋風五丈原

41
プルースト「失われた時を求めて」を薦めるための本というよりは「なぜ本を読むのか?」と聞きそうなうるさ方に渡すといいかも。読書が人々に何を与えるかを伝えるいい言葉が沢山詰まっている。2019/04/12

zirou1984

33
自身が最も困難な状況に陥った時、書物はどれほどの救いとなってくれるだろうか。ソ連軍の侵攻によって捕虜となったポーランド人の著者は、収容所で1冊の本に関する講義を行った。手元に本もなく、そもそも解放される当てのない日々の中で語られるそれは、プルーストの死生観にまで踏み込みつつ、人が本を読む理由、本を必要とする理由を痛切なまでに表している。芸術への尽きぬ喜びが、ぎりぎりの所で人間の尊厳を保ってくれたという一つの証拠として刻まれる、本を語ることの可能性を示してくれた一冊。2018/09/16

かもめ通信

31
ソ連のラーゲリ(強制収容所)で、零下40度の極寒と厳しい監視のもと、チャプスキは同房の面々を前に、プルーストの『失われた時を求めて』を題材に連続講義をおこなった。手元には一冊の本もなく、ただ自らの記憶だけを頼りに。実を言うと私はまだ“失われた時を求めて”物語という広大な世界に一歩足を踏み出したばかりではあるのだけれど、この“講義”を受けて改めて、必ずやこの旅路を歩き通そうと決意を新たにした。2018/02/14

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