内容説明
たとえば福島第一原発事故や安保法反対デモのメディア報道。たとえばヘイトスピーチ。なぜひとはその「ことば」がおかしいとわかっていながら、「主観性の生産」に服従してしまうのか?あるいは住宅ローンや奨学金をはじめとする「負債」。あるいは日常生活はむろん自然までも支配し管理するネットやGPSによるコントロール社会に、なぜひとはこうまで隷従してしまうのか?そして、では、新自由主義下を生きる人間が、こうした隷属状態と訣別し、「平等」を実現するにはどうすればいいのか?前著『“借金人間”製造工場』によって日本でも話題になった社会学者/思想家が、ガタリ、ドゥルーズ、フーコー、バフチンらを援用しながら試みた、“反‐資本主義”の哲学的実践!
目次
序章 ロゴスか機械か
第1章 生産と主観性の生産―社会的服従と機械状隷属とのあいだ
第2章 主観性の生産といわゆる生産におけるシニフィアンの記号学と非シニフィアンの記号論
第3章 複合的記号論
第4章 対立と記号体系
第5章 「社会のクズ」発言と行為遂行的なものにたいする批判
第6章 主観性の生産における言説的なものと実在的なもの
第7章 言表行為と政治学―民主主義をパラレルに読む フーコーとランシエール
著者等紹介
ラッツァラート,マウリツィオ[ラッツァラート,マウリツィオ] [Lazzarato,Maurizio]
1955年、イタリア生まれ。社会学者、哲学者。現在は、パリで非物質的労働、労働者の分裂、社会運動などについての研究を行ないながら、非常勤芸能従事者(アンテルミッタン)やプレカリアートなどの活動にも積極的に参加している
杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻。1980年代以降、とくにF・ガタリやA・ネグリなどの現代思想家の著作の翻訳、ならびにオルター・グローバリゼーション関係の理論や運動の紹介に取り組む
松田正貴[マツダマサタカ]
1974年、大阪府に生まれる。大阪電気通信大学講師。現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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