感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むっち
2
ヘイトスピーチ渦巻く現在の東京の大久保の風景から回想シーンに入っていったけど、舞台は1970年代中頃に戻り、まだヘイトスピーチどころか在日差別もあるのの意識されていない大阪で、朝鮮学校に通いながら金日成の朝鮮に幻想が残っていた一家が、夜逃げして北海道へ、たぶんあった話なんだろうなと思いながら、差別する登場人物はちょっと単純化されすぎなような気もするが、在日として生活する人が感じる「憤りというよりは、表現しがたいもどかしい気持ち」を描いた逸品だと感じる。ヘイトは突然出てきたわけではないと思う。学校で落書きに2015/12/09
Miki Shimizu
1
大阪から北海道に移住した家族の小学生が主人公。在日コリアンで、隠して生きてたのにいじめっ子が言っちゃう。そんときの先生のコメントがガッカリすぎて、、、。でも、自分が先生やったら、何を言えるんかなー。その後の友だちの話はステキやけど、先生の立場での話とは違うしなー。2016/06/24
もぐを
1
ちょっと思ってたのと違った。在日の一家の話。題名が気に入って借りた本。2015/10/15
JinHee
0
在日であるが故に悩み翻弄される主人公浩一の成長物語。物語は新大久保のヘイトデモのシーンから始まるが、物語はとても軽快で読みやすい。在日故の辛さは、そうでない者に理解できるものではないが、本作の良さは在日とかそういう事でなく、自己同一性を確立させようとする少年期の真っ直ぐさや清々しさであると思う。在日やヘイトに対して造詣を深める作品とは言えないが、単純な人間美としての愛しさがあった。その愛しさに気が付けば畢竟、国籍等という書類上の分類で人を別け隔てる馬鹿らしさにも気が付けるのかもしれない。2016/06/26