感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
109
建て直す前の母方の実家の外壁には、戦前に近くの川が氾濫した痕跡が高さ1㍍付近に残っていた。以後は洪水に遭っていないが、暴れ川として悪名高い筑後川では今なお大水害が繰り返されている。川の流域に住む人びとにとって水に備えるのが日常であり、治水への努力や水を巡る周辺との争いこそ土地の歴史なのだ。生きるため水と戦い続けた庶民の喜怒哀楽の上に築かれた環境や文化こそ、日本の原風景だと思い知る。対策であるダムや堰も、自然の前では愚かなあがきでしかない。異常気象が当たり前の今日、筑後川周辺が未来の日本と化さぬ保証はない。2022/10/08
ガラスのバラ
5
三大暴れ川の筑紫次郎と呼ばれる筑後川は、古代より数えきれないほどの洪水を繰り返してきた。とりわけ2017年の九州北部豪雨は記憶に新しいが、明治22年、大正10年、昭和28年は筑後川の三大洪水と呼ばれ甚大な被害だった。堰、堤防、ダムなどの治水工事は昔から行われるも、今なお洪水と人との闘いは続いている。むしろ地球温暖化の影響で大雨は頻回だ。12年に渡る取材はかなり広範囲かつ丁寧で、流域の農業をはじめとする産業、歴史や文化にまでテーマが広がる。興味深い話もあったが、広くて深い内容は簡単には読みこなせない。2022/08/16
ちゃーとら
4
【図書館本】熊本県出身の著者が12年かけてまとめたノンフィクション。川と人間の共生の話。今は消えてしまった地名の意味や、はるか昔に作られた治水対策が今も活きている話など興味深く読んだ。ただ筑後川が広すぎなのか全体的には流し読みで何とか読み終えた感じ2023/04/12
takao
2
ふむ2023/01/05