目次
第1章 こうしてクマ撃ちになった
第2章 狩人の知恵、クマの知恵
第3章 本当のクマの姿
第4章 アイヌ民族とクマ
第5章 クマに会ったらどうするか
第6章 クマは人を見てタマげてる
第7章 クマと共存するために
第8章 クマの生きている意味
著者等紹介
姉崎等[アネザキヒトシ]
1925年(大正14年)北海道生まれ。アイヌ民族最後のクマ撃ち猟師。3歳のときに鵡川から千歳に移り、母方のアイヌ民族の集落で暮らしながら猟を覚える。12歳から村田銃で狩猟を始める。22歳からクマ撃ちを単独で始め、25年間で40頭、集団猟を入れると60頭を獲る。1990年、春グマの狩猟禁止とともにクマ猟をやめ、以後、ヒグマ防除隊の相談役、ついで副隊長を務める。その間、北海道大学によるヒグマのテレメトリー調査に協力。2001年6月、銃を手放し、65年間に及ぶ狩猟人生に区切りをつける
片山龍峯[カタヤマタツミネ]
1942年(昭和17年)東京生まれ。片山言語文化研究所代表。番組制作会社(株)レラ工房のディレクターとして、『NHKスペシャル』『生きもの地球紀行』『未来潮流』『ETV特集』『地球に乾杯』『BSスペシャル』など、NHKのドキュメンタリー番組を制作している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫陽花と雨
23
アイヌの血を引く最後のクマ狩人、姉崎さんの語りを丁寧に編集してまとめた一冊。羆小説を何作品か読んだ後であるだけに、実際のハンターであった方の話はリアリティがあって面白かった。「会ったら」の話以外も姉崎さんが語るアイヌとしての人生、狩の方法や工夫、山の装備から熊の生態まで(冬眠のところはちょっと笑った)アイヌとしての誇り、カムイへの感謝、儀式。ハイカーのゴミ放置が熊を人里へ導いてしまう話や、針葉樹の植林は一見緑に見えても山は生きていない、など全てが興味深かった。とにかく熊に背中をみせて逃げてはいけない。2019/05/05
たまきら
18
ちなみに、実家で読んだ本と同じタイトルで、以前読んで面白かった本がこれ。こちらはかなり実践型で、学者とはまた違う視点を楽しめる本です。ペットボトルはキノコ狩りのため山にはいる友人に教えたらすごく喜ばれました。2016/01/05
はる
16
図書館本。わたしは毎日「かつて生きて動いていたもの」を食して暮らしている。鳥や魚を捕って料ったこともある。祈りや祀りは無かったけれど、おいしく食べてしまった。『クマにあったらどうするか』「死んだふり~」とか思いながら気軽に読みはじめた一冊が、口惜しいほど羨ましい一冊に。この狩人のお爺に山やクマの話を実際に聞いた人が羨ましくてたまらない。!文庫本に写真も全部載っているなら即買って手元に置きたい。2017/12/06
Humbaba
15
通常の熊は,人間を怖れている.そのため,無闇矢鱈と襲ってくるということはない.例え襲われそうになっても,逃げずに動かないようにすれば,実際に襲われる可能性は低くなる.全ての熊に通用する方法ではないが,逃げたとしても相手のほうが素早いことを考えれば,生き残る可能性は高まるだろう.2013/05/18
志田健治
14
目から鱗な素晴らしい本でした。狩人の視点から語られるクマ像は他のどんなクマ本からも得られない貴重な話ばかり。もう、唸りっぱなしでした。この姉崎さんというクマ撃ち猟師さんがまたまた素敵です。姉崎さんだからこそ得られた知識だと思います。思えばクマのイメージは本当に作られたものばかり。クマが怖いという言葉が怖い。幽霊が怖くたって本当はいないんだから、幽霊が怖いという言葉が怖いんだ。という姉崎さんの語りが心に残ります。クマは人間に遠慮して暮らしている。よそよそしい距離感を保ったまま共存して来た。心に沁みます。2016/01/26