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内容説明
物語作家シンガーの愛の世界。古都ワルシャワを舞台に魔術師ヤシャがくり広げる愛の綱わたり。やがてヤシャに人生の大きな転機が訪れる…。言葉の魔術師シンガーが描き出す波瀾万丈の華麗な世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らぱん
42
ダイナミズムに唸る。舞台は19世紀末のロシア統治下のポーランド。手品と曲芸をこなすヤシャには華がある。人心の掌握に長けた一流の魔術師であり、実生活でも軽佻浮薄な浮気男を演じている。突然、彼の人生の綱渡りが不確かなものになる。極端な振り幅で驚きの展開がある。 登場人物が生き生きとしており、未知の文化に親しみを覚える。罪と罰から善と悪を考えさせ、神の存在を問いながら洒脱で娯楽性も高い。この主題で物語として面白いのは奇跡かもしれない。 不快であるべき揺らぎが心地良いという不思議な感覚を味わっている。↓2020/01/02
ぺったらぺたら子
17
源氏物語の第一層みたい、と思いつつ読んでいた。誇張され象徴性を帯びた男女の非対称な関係性が、現実の中でやがて破綻を来す。非倫理的で極端に身勝手で、特別に人を操る力に長けた主人公の無責任な愛の綱渡りと、その躓き。信仰を通り抜けて信仰へと至る道筋。それは信仰としては示唆に富んでいるが、男女の問題として見ると、ドストエフスキー的な赦しは、割り切れてしまう事に逆に割り切れなさを感じずにはいられなかった。倫理の喪失による船酔い状態になるのだが、着地点がある事で後期作に較べると、破戒による破壊力には欠ける様に思えた。2020/02/09
稲田紹
9
大変面白かった。ノーベルS受賞作家とは。すばらしいの一言。他の作品も読んでみたい。2024/11/17
アトレーユ
8
『存在の耐えられない軽さ』のトマーシュのような人間かと思いきや、それほど実存主義的な思想は持たない主人公。ストーリー性はあるのでどんどんサラッと読める。が。アイザック・シンガーなら『父の法廷』の方が好きだな〜2024/08/30
るりこ
2
優柔不断な浮気男の、中途半端な半生だった。でも、優柔不断でも浮気でも中途半端だったこともない人生を歩める人なんているのだろうか。誰もがきっとこんな紆余曲折を経験して何とか生きるのではないか。 「自分の最悪の敵は自分の倦怠だ」 然り。2013/01/08
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