内容説明
「ヒットラーの子ども」に生まれた女性の実話。
目次
はじまり
スウェーデン1961年
予期せぬ出会い
電話
オーセ
私の母
新しい始まり
大きく変わった一年
ローゲルを育てる
別れを告げる〔ほか〕
著者等紹介
速水望[ハヤミナガメ]
ヨテボリ大学文学部北欧言語学科修士課程修了。帰国後、東海大学北欧学科非常勤講師、都内の語学学校でのスウェーデン語講師を務める。2005年からスウェーデン大使館勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
57
レーベンスボルンのことは何となく知っていると思っていましたが、実際にその政策により誕生した方の生の声は想像以上に辛い。自分の産みの親がわからないこと。本当の母にやっと出会えても拒否されたこと。思いがけず自分自身がレーベンスボルンの子どもだと判明したこと。そのどれもが衝撃的でした。2025/02/03
読書家さん#2EIzez
5
育てられなくて、幸運だったように思う。 本から離れて現代社会でも人を選ぶ場面があるが、果たして そんなことは、選択可能なのだろうか。 度をすぎればヒトラーのようにならなくもないし 口にだすのは、普しないだろう。 日本も戦後80年なら、そんな思想が地味に受継がれていてもおかしくないんだろうか。 だから?ジィさんなんかは口を閉ざしたまんまだったのかとか尾ひれのついてくる作品だった。 最後まで読んでいないのでまた残りを書くけれど カーリさんは、羨ましいといってはおかしいけどなかなか幸せな人生によめる。2025/03/14
読書家さん#2EIzez
4
カーリさんの自伝。 幼い頃に孤児院からスタートしており、生きるため自然と人への希望や希求のような よい姿勢を身につけていた気がした。またじぶんの運命のような諦観を苦とせず幼いうちにみにつけている。これは強みにみえる、生まれてから二年の空白がいつもあり64才で探し当てる。父や母のことがわかりかけてきた時はすでに成熟していて何ごとにも、客観的に正しく行動しておりすごいなと 思った。それと人が人を選別する、ヒトラーのプロジェクトについて母が犠牲になったのか、判然としてないようにも思えた。 カーリは、実親に育てら2025/03/14
Go Extreme
3
はじまり スウェーデン1961年 予期せぬ出会い 電話 オーセ 私の母 新しい始まり 大きく変わった一年 ローゲルを育てる 別れを告げる 小さなロマンス 失業者の場所 過去を掘り起こす 写真 真実 ホーヘーホルスト ヒトラーとヒムラー 戦後 孤児院 成長過程 オーセの物語 謝罪 髪の毛 傷 話すこと 空高いところで2021/11/03
小池 和明
2
新聞で紹介されていたお話が書かれた本。ナチスドイツ アウシュビッツ収容所は知っていたが、レーベンスボルン(生命の泉)のことは知らなかった。ナチスドイツの親衛隊がアーリア人の女性たちを妊娠させ、優位な人種をつくることを奨励した生殖プロジェクト。普通、人は生まれるときに両親や家族に祝福されて誕生してくる。でも、カーリは・・・。時代に翻弄され、人生を狂わせられてしまった。遠い国の出来事のような、物語のような話ではあるが、現実に起きたこと。こんなことを背負わされて生きた人がいるということをしっかり覚えておこう。2025/01/22