内容説明
なんのために生まれてきたのだろうか?理不尽な社会をどうやりすごせばいいのだろうか?貧しいことは不幸なのだろうか?その答えを、漢詩のなかに探る試み。陸游、杜甫、蘇東坡、夏目漱石、河上肇の5人の漢詩人の人生と漢詩を読み解きながら、現代の「ディストピア」と、漢詩が導く「ユートピア」を考える。
目次
第1章 莫莫莫―陸游、挫折のなかのユートピア(いま、この瞬間を生きる;行間に七十年の時 ほか)
第2章 是無心―漱石が求めた東洋的理想郷(文明開化で失われたもの;落語と漢詩を愛す ほか)
第3章 竟何之―杜甫のパズルを解く(五言絶句の奇跡;杜甫を絶句させた天才 ほか)
第4章 値千金―すべてを楽しむ蘇東坡の境地(左遷を楽しむ;文章の名門一家 ほか)
第5章 間臥作詩―河上肇の桃源郷(社会というディストピア;共産主義という理想 ほか)