内容説明
町の外れに「Life(ライフ)」という小さなお店があります。でもお店といっても、だれかが働いているわけでも、なにかを売っているわけでもありません。ある冷たい風が吹いた日、一人のおばあさんが「ライフ」にやってきました…。冬の間も「ライフ」には、たくさんの人が訪れ、そしてすてきな春がやってきました。
著者等紹介
くすのきしげのり[クスノキシゲノリ]
1961年徳島県生まれ。小学校教諭を経て、絵本や児童文学を中心とする創作活動を続ける
松本春野[マツモトハルノ]
東京生まれ。多摩美術大学油画科卒。広告、雑誌でのイラストレーションなどを多数手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
218
感動した絵本や忘れられない写真、笑ったり涙したりした思い出はライフという誰もいないお店に届けられ、幸せの種が添えられてこの町に広がっていく。花は大切な贈りもの。季節が訪れればこの花が好きだったねと、あの人のことを思い出す。幸せはまた次の人の想いにつながって膨らんでいく。おじいさん、みんな微笑んでいますよ。鳥もたくさんの巣を作っています。あなたは花が大好きでした。ここにはあなたの花が溢れています。下を向いて歩いている人も足もとの花を見て微笑んでいます。あなたの足音が懐かしいわ。ありがとう。本当にありがとう。2023/02/19
やま
142
Life(ライフ) 2015.03発行。字の大きさは…大。 本を開けると、柔らかな色遣いと心温まる松本春野さんの絵が…そこに有りました。 この物語は、Lifeという、この町の人達がよく訪れるリユースシステムのお店を、舞台にして書かれた絵本です。 長年連れ添ったお爺さんを亡くして、元気をなくしたお婆さんが、お爺さんが春に咲かせようとした種を植えるのを諦めて。その種を小さい袋に分けてLifeに置いたことから始まります。 この絵本を読んでいて、心がほっこりしてきます。 そして、生きる希望と元気が出て来ます。2020/10/01
馨
127
絵本。大人向けだと思います。誰かが何かを持ってきて、代わりに何かを貰って帰る、物には元持ち主のメッセージカードが添えられている。店員もいないお店ライフ。こんなところがあったら良いなと思いました。思い出の物が、その時必要な違う誰かに引き継がれ、役に立っていく。違う誰かが使っていたものが、今の自分の必要で引き継いでいく。相手も自分も幸せになれると思います。2024/06/09
MI
105
「ライフ」という小さなお店があります。お店といっても誰かが働いているわけでも、売っているわけではありません。そのお店は誰かが何かを持っていき、もらった人はまた違うものをメッセージを添えて置いておくお店。おばあさんが花の種を置いて、他の人が花の種と別のものとを持っていった。おばあさんはお爺さんを亡くしたばかり。しばらくしてライフに来てみると、おばあさんからもらった花の種を育てて、咲いた花をまたライフに置いた。お店いっぱいの花で埋め尽くされた。人は人によって生かされる心温まる絵本。2023/07/02
chimako
95
【夏季研修】おじいさんを亡くしたおばあさんがまた顔をあげて歩き出すお話。Lifeとはお店の名前使わなくなった物を置いて欲しいものを頂いていくリユースのお店。おばあさんは元気が出なくて春に咲く花の種を置いていきました。男の子がカップルが親子がおばあさんの種を一袋ずつもらっていきます。やがて夏に咲く花の種を持ってきたおばあさんはまるでおじいさんの花畑の様なお店の中に驚きます。各々の人生が交錯するお店Life。ほのぼのとする大人にもおすすめの絵本です。2017/08/01