内容説明
レオナルド・ダ・ヴィンチは、何十もの驚くべき発見をし、流体力学や理論植物学、空気力学、発生学などの全く新しい分野を切り開いた。著者は、レオナルドの有名な手稿を読み返すうちに彼が先駆的なシステム思想家でもあったことに気づき、この新しい視点から見たレオナルドの全科学的業績について、徹底的に踏み込んだ調査を行った。そして本書で、レオナルドの科学は生きている形態や性質、パターンの科学であり、200年後に登場した機械論的な科学とは根本的に異なっていること、レオナルドがすべての生命の不変性に敬意を払うとともに、すべての自然現象に根本的な相互依存性があることを認識し、ミクロコスモス(人間)とマクロコスモス(生きている地球)を結びつけたことを明らかにしている。また、レオナルドの研究をガリレオやニュートン、さらに現代科学と比較することによって、レオナルドの先見性やレオナルドの科学が現代社会にとって持つ意を考察している。
目次
プロローグ レオナルドの天才性
第1部 マクロコスモスの形態と変容(水の運動;生きている地球;植物の成長)
第2部 間人の形態と変容(人間の形態;機械工学の原理;人体の運動;飛行の科学;生命の謎;レオナルドの遺産)
著者等紹介
カプラ,フリッチョフ[カプラ,フリッチョフ] [Capra,Fritjof]
フリッチョフ・カプラ博士は物理学者、システム理論家であり、初等・中等教育の段階からエコロジー的、システム論的な発想を促すことを目的とした、センター・フォー・エコリテラシー(カリフォルニア州バークレー)の創立者。イギリスの国際的な生態学的研究センターであるシューマッハー・カレッジの教員を務める。1966年にウィーン大学で理論物理学の博士号を取得後、パリ大学(1966~68年)、カリフォルニア大学サンタクルーズ校(1968~70年)、スタンフォード線型加速器センター(1970年)、ロンドン大学インペリアル・カレッジ(現在はインペリアル・カレッジ・ロンドン)(1971~74年)、カリフォルニア大学ローレンス・バークレー国立研究所(1975~88)で、粒子物理学の研究に従事
千葉啓恵[チバヒロエ]
翻訳者。東北大学大学院農学研究科修士課程修了。化学会社研究所勤務を経て、現在は自然科学分野の翻訳業に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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