無限とはなにか?―カントールの集合論からモスクワ数学派の神秘主義に至る人間ドラマ

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  • サイズ B6判/ページ数 344,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784907600167
  • NDC分類 410.9
  • Cコード C0041

内容説明

本書は、20世紀初頭に無限と集合論に挑んだ数学者、特にロシアの数学者を中心に描いている。数学的対象に対する解釈をフランスの数学者と対比させることで、モスクワ数学派の無限や連続性、集合に対する解釈の独自性が明確になっている。著者らは本書の執筆にあたり綿密な調査をおこない、あまり知られていない20世紀前半におけるモスクワの数学者達の活躍や苦悩、生涯を、共産主義による制圧といった当時の時代背景や思想との関わりを含めて詳述している

目次

第1章 修道院襲撃事件
第2章 数学の危機
第3章 フランスのトリオ―ボレル、ルベーグ、ベール
第4章 ロシアのトリオ―エゴロフ、ルジン、フロレンスキー
第5章 ロシアにおける数学と神秘主義
第6章 伝説的なルシタニア
第7章 ロシアのトリオの運命
第8章 ルシタニアのその後
第9章 数学における人間過去、そして現在
補遺 ルジンの個人的な文書

著者等紹介

グレアム,ローレン[グレアム,ローレン] [Graham,Loren]
現在マサチューセッツ工科大学の科学史教授。著名な科学史家であり、ロシア・ソヴィエト科学史に関するさまざまな著作で知られている

カンター,ジャン=ミシェル[カンター,ジャンミシェル] [Kantor,Jean‐Michel]
現在、パリ第6大学(Institut de Math´ematiques de Jussieu)に在籍。数学者から転身した数学史家

吾妻靖子[アガツマヤスコ]
北海道大学法学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

68
再読: 文学も美術も音楽も、宇宙論も、そして数学も、無限とは無縁ではありえない。  探求をとことん突き詰めていけば、遅かれ早かれ無限の穴か極か壁に突き当たる。無はきっとそこら中に口を開けて獲物…無謀なる犠牲者を待っている。  驚くべきは、そんな蛮行に挑んだ連中がいる、ということよりも、スターリンの圧政下にあっても、そして無限の陥穽を恐れることなく、探求を続け、一定の成果を上げたという厳然たる事実があるということだろう。 2020/06/10

やいっち

14
本書の前半はフランスの数学界の話で、ある意味、フランスに焦点を持ってきた真っ当な数学史。後半こそが、本書の白眉というか、独自性を際立たせている内容だろう。ロシア革命以後は、粛清や密告の嵐が吹き荒ぶ。革命政権の理念に反する者、特に宗教に対する弾圧は徹底的に断行された。  本書で焦点を定められている数学者らは、讃名派と称される、ある種の神秘思想の信奉者ら。2017/03/03

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