内容説明
この星には、ラグビーという希望がある。すべての選手と指導者&学生と教師へおすすめする珠玉の五〇篇。
目次
“夏”反戦とスポーツ―君たちは、なぜラグビーをするのか。それは「戦争をしないため」だ。(体を張った平和論;存分に走れ ほか)
“秋”ワールドカップの季節―「畏れ慎む」気持ちを忘れてはならない。(ラグビー酒場の黒麦酒;亡命と微笑 ほか)
“冬”勝者と敗者の季節―負けましておめでとうございます。(内なる高みを求めて;少年を男に、男を少年に ほか)
“春”出会いと別れの季節―人類のためだ。(自由への招待;時間と空間を超えて。 ほか)
“鉄”東伏見から吹く風―鉄になった。(痛快なるオリジナリティ;追悼 大西鐵之祐 ほか)
著者等紹介
藤島大[フジシマダイ]
1961年、東京都生まれ。都立秋川高校、早稲田大学でラグビー部に所属。卒業後は、スポーツニッポン新聞を経て、92年に独立。文筆業のかたわら、都立国立高校、早稲田大学ラグビー部のコーチを務めた。2002年『知と熱―日本ラグビーの変革者・大西鐵之祐』(文藝春秋)でミズノスポーツライター賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keith
28
スポーツライター藤島さんのラグビーエッセイ集。この人の紡ぎだす文章がすごく好きです。読むたびにこんな文章が書けたらなといつも思います。「なぜラグビーをするのか?それは戦争をしないためである。」あまりにも飛躍しすぎているとは思いますが、その意気やよし。ラグビーへの愛が溢れたエッセイ集です。ある部員の言葉「あの人は僕らを優勝させたいのではなく優勝監督になりたいのです」。すべてのコーチ、そしてスポーツだけではなくすべての指導的立場の人がかみしめるべき言葉ですね。2015/12/16
姫
26
この本を読み始めたころ、ラグビーで日本が南アフリカに勝つなんて1%も想像できませんでした。昔々、同じワールドカップの舞台でNZ代表オールブラックスに17対145で叩きのめされ日本に住む全てのラグビーマンを失望させたジャパンはあれから約30年、今度はこの列島の全てのラガー(元選手も女性もきっと含みます)に感動の涙を流させました。著者、藤島大さんはネットや新聞を通じて、何度もラグビーの素晴さを伝え、そしてラグビー日本代表が世界の舞台で勝つことを誰よりも願っていました。藤島さんの夢が叶った。それが嬉しいです。2015/10/01
あつ子🐈⬛
12
再読ですが泣いてしまった。藤島大さんの文章は、いつも私に勇気をくれる。 「高い高い目標に向かって、背骨を伸ばしきり、欲を捨て、身を投げた先……。そこには、挑んだ者のみが獲得できる素敵な『私』が待ち受けているのだ」 知と熱が武器だ。さあ行こう!2019/11/30
順子
9
ラグビー愛あふれる選集。私はラグビーやらないけど、観戦は大好きで、野球場やサッカー場に集まる人たちとはちょっと観戦者も違う。他のスポーツだって素晴らしいよ!と言う人も多くいるだろうけど、ラグビーは特別だよ、という著者の言う事も分かる。他の書籍や新聞に掲載されたコラムの選集なので繰り返されるポイントも多いが、『闘争的スポーツを通じてフェアプレイを体現して』戦争をさせない人々を作る、『本物の知性とは、結局のところ「反体制」なのだ。』に付箋。なかなか良い。2019/03/12
ラムネ
9
読み始めたのは名古屋駅だった。静岡県内で止まらぬ新幹線には乗らない、とここのところ決めていて、お目当ての車両が来るのを待つ間に、早くもメモが必要になった。途中、何度も本を閉じ、春の雨に流れる車窓の景色を眺めながら、フェアに戦うとはどういうことかと考えた。競争で埋め尽くされた日々を、生活を、人生を、フェアに生きるとはどういうことかと。既に分かっていた答えかもしれない。取捨選択が必要なのだと思う。たとえそれが慣れ親しみ、愛着あるものだとしても、僕はこの手にある幾つかの物事にさようならを言おうと思う。2016/03/19