内容説明
神社の敷地で遊ぶ子どもたち。一人の少年が、不思議な物を見つけ鞄にしまった。その夜、少年が再び神社の前を通りかかった時、落とし物を返してほしいと妖怪が現れた!逢魔が時の境内は、妖怪たちが闊歩する場所。少年は、見たこともない不思議な世界を体験する。妖怪に出会ってしまった、記録の書。
著者等紹介
大野隆介[オオノリュウスケ]
1970年、東京生まれ。グラフィックデザイナー。装丁家の辻村益朗氏に師事し、デザインを学ぶ。絵本、書籍などの装丁、デザインを数多く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ままこ
102
夜の神社ってなんか怖いよね。天狗のうちわを自分のものにした男の子が連れられた先は…。暗闇に潜む妖怪たちが不気味〜。仄暗いモノトーンの絵が摩訶不思議な雰囲気を盛り上げる。帰り道あれは危機一髪だったな。巻末の妖怪辞典を見ながら隠れた妖怪を探すのも面白いかも。2020/08/19
かりさ
84
神社の境内で遊ぶ子供たちのひとりが不思議なものを見つけた。咄嗟にそれを鞄に仕舞う少年。その夜、少年が再び神社の前を通りかかると、落し物を知らないかと訪ねるモノが…。夜の神社は真っ暗闇で、そうこんな感じ、と暗闇を想起させるようなモノクロームの絵本世界。暗闇に蠢く妖怪たちが不気味ながらも妖しく、怖いながらもちょっとユーモラスで愛着すら感じます。黒鉛筆で描かれた緻密な線画、リアルに見える妖怪たち、幻想的な世界に惹き込まれました。少年が体験したのは夢か現か幻か。美しい絵本。2016/09/20
nakanaka
72
様々な日本の妖怪が登場する絵本。「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪が殆どなので懐かしく読むことができました。絵が白黒調なので夜の不気味さがこれでもかというほどに表現されています。子どもたちにはちょっと怖かったかもしれませんが「大天狗」の優しさがマイルドな印象を与えてくれたようです。最後の「おとろし」が恐ろしい。2016/01/22
よこたん
52
“空に、だれかの笑い声が聞こえた。” 闇がねっとりこっくりと深い。漂う空気がMRIの検査室の中のように重くのしかかる。「んーふ、むぅーんふ」と人ならざるものたちの息遣いが絡みついてくるような。神域とちゃうんかい!?とつっこみながら、目を凝らしてよく見えないものを探しに行く、不気味だけど。これは、大天狗の退屈しのぎのお戯れにつき合わされたのかな。恐怖のあまり最後の最後で、恥ずかしい事態に。そこへ通りかかる友達にしっかり見られるこれって悲劇。夜の神社はやっぱり怖い。お祭りの夜の神社とは全く別の顔だから。2020/11/20
かおりんご
44
絵本。神社でものを拾ってはいけません。何が起こるかわかりませんから・・・妖怪盛りだくさんな本です。2015/10/14