感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りつこ
27
短篇集。できるだけ短い文章で多くを表そうとしているような文体なので、ゆっくり味わいながらの読書になった。表題作は既読だった。一家の大黒柱にならざるを得なかった女性がどうにか滑り込んだ木材会社で社長の日本出張になぜか毎年呼ばれるようになり、社内では「愛人」「奴隷」と噂されるが決してそんなことはなく…。鈍さを装って踏ん張る主人公の強さに涙。一番好きだったのは「春のワルツ」。これは泣いた。3人の母が素敵。愛情たっぷり受けたポムも素敵。 それにしても韓国文学にハズレがないのはなぜなんだ?2025/10/01
M H
21
少子化の進行は韓国も日本も家父長制や女性の社会進出が背景にされることがよくあり、風穴のいち側面としてケアやシスターフッドが浮かび上がるのだと勝手に了解している。本書も収録作によってはそうだが、全体的にはもっとざらついた心の襞やままならない人間関係を敢えてあまり落着させずに描ききっているのに惹きつけられ、消耗もした。「誰もいない家」の夫婦、「わたしたちが坡州に行くといつも天気が悪い」の友人関係の軋みが重い読後感を残し、確かな手触り。とても良かった。2026/04/01
フランソワーズ
18
韓国女性が抱える、社会からの抑圧が描かれている。韓国文学の”らしさ”が窺える。大概主人公は独りでじっと耐え忍んでいるけど、この短編群では彼女たちを支えてくれる同性が存在する。温かい気持ちになれる。そしてこれも韓国文学らしく、男性の不在(もしくは抑圧する側)が感じられる。お気に入りは表題作と『わたしたちが坡州に行くといつも天気が悪い』です。2024/08/17
ズー
17
オバさん(私など)が主役の話が多いと噂に聞き読んでみた本。表紙もほっこりしているし、おだやかな感じを期待していたのだが、なかなか思ったよりハードだった。とはいえ、笑えるところや幸せな感じもあり、全体的に悲壮感は漂わない。人との関係性で垣間見えるリアルがある。話自体はあまりないような設定は多いものの、その感情にリアリティがある。どれも良かったが、「春のワルツ」と「その時計は…」が好きだな。2024/12/06
だいふく
11
9つの短編。どの短編も読みやすいけれど内容の濃いお話で、読めてよかったと思う満足感でいっぱい。 家父長制を始めとする抑圧、せっかく続いていた友人関係があっけなく終わったり、周りから誤解を受けたりと心塞ぐ話もあるけれど、かけがえのない繋がりを持つことのできた人もいる。 「誰もいない家」、「春のワルツ」、「水の中を歩く人たち」、「わたしたちが坡州に行くといつも天気が悪い」、表題作が好み。2024/09/22
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