内容説明
福島原発事故、最近ではウクライナ問題で、シェールガスが大きく注目されている。だが、シェール革命は本当に世界を変えるのだろうか。米国のシェール井戸は増産に次ぐ増産で生産レートが急速に下がっている。水圧破砕法による環境破壊も顕在化しつつある。油価高騰のバブルがいつかは弾け、シェールガスの安価維持が続かない可能性もある。シェール革命の光と陰双方を初めて明らかにした待望の著。
目次
第1章 非在来型資源とは何か(在来型と非在来型資源の違い;シェールガス、シェールガス随伴オイル、タイトオイル ほか)
第2章 開拓者魂と技術革新が産んだシェール開発ブーム(シェール増産を実現し開拓者魂と技術の礎を築いた二人の恩人;シェールガス増産の革新技術とは ほか)
第3章 世界の産業構造を塗り替えるシェールガス革命(世界各国のシェール資源開発動向;シェールガス革命で日本の石化業界への影響も ほか)
第4章 シェールガスの真実、価格は本当に下がるのか(米国シェールガス革命が価格に与えた影響;大震災と福島原発事故で露呈したジャパンプレミアム ほか)
第5章 シェール革命に“陰”の囁きも(シェールガスの栄華は数十年も続かない?;ジオポリティックスと経済から見たシェールガスの危うさ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黄色いスリッパ
1
「線香花火」という副題の通り、シェールガスは資源量のほとんどは結局開発されず、一時のブームに終わるだろうと説く。とはいえ現実として各方面にすでに様々な影響を与えてるわけで。そのあたりもきちっと整理されており、シェールガスの手頃な入門書としては悪くない。2014/09/01
kazzz
0
専門的でややとっつきにくい箇所もあったが、シェールガスを中心に非在来型資源について、詳しく解説されている。やや懐疑的な立場を取りつつ、シェールガスを取り巻く周辺の経済的影響(特に日本企業への)にも触れられていて参考になる。実際、原油安が続く中でシェール関連企業の倒産のニュースも聞こえるようになってきた。その辺りの「課題」も含め、シェールに関する情報、状況を把握するのに適した本。 『石油通信社新書』..何でも新書になるもんだ。文中の図表の見にくさは何とかしてもらいたい^^;。2015/02/01