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内容説明
本書においてルー・リードが手放しで称賛されている箇所はほとんどない。ルー・リードの人生やキャリアは矛盾に満ち、ありえない方向へ変化し、暴力的であった。著者はそのことを浮き彫りにすると同時に、思索に富んだ曲や詩についても分析している。本書は、パンクのゴッドファーザーというレッテルを安易に貼られているルー・リードの、もっと複雑な内面を鋭い洞察力で描き出した名著である。
目次
僕は待ち人
おまえの息子たちを殺す
君の肩にゼリーをのせよう
助けてくれ、ニューヨークの星たちよ
俺には刺激が必要だ
アップタウンのごみ
いつもこうなんだ
汚らしい大通り
たくさんの人が死ぬのを見てきた
親とのセックス(マザーファッカー)
響きと怒り
緩慢な幻惑
著者等紹介
リード,ジェレミー[リード,ジェレミー] [Reed,Jeremy]
詩、小説、カウンターカルチャー関連の伝記などで数々の賞に輝いている。詩集、フィクション、ノンフィクションの著作は30冊を超える。ザ・ジンジャー・ライトとともにユニットを組み、詩の朗読+音楽というまったく新しいジャンルを確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
6
映画「バックコーラスの歌姫たち」の冒頭にも「ワイルドサイドを歩け」が聞こえてくる。ルーリードの曲は都市生活者のBGMでもある。言葉もよくわからないのだけれど、その曲の持つメランコリックな雰囲気がとても好きだ。そのルーリードの人生におけるイライラは子供時代の電気ショックにさかのぼる。同性愛の嗜好を両親に知られ病院に通う日々。その時にきっと声がしたのだろう。そんな詩人を取り巻く時代背景はウォホールだったりデビッドボウイだったり…何とも世界の広がりを感じる。どこか寂しくてどこか不機嫌。そんな人生が読み取れる一冊2015/08/07
Mark.jr
3
おそらく後の世代に最も影響を与えたロックバンドの1つVELVET UNDERGROUNDのボーカルLOU REEDの伝記です。VELVET UNDERGROUNDよりもソロ活動の経歴、そしてルー本人の同性愛者という側面に焦点を当てたもので、青年期に性的嗜好を矯正するための電気療法によるトラウマから屈折したへそ曲がりぶりと、あくまでも彼流のロックンロールと先鋭性に拘り続けた音楽的変遷を知ることができます。晩年さらに刺激的な活動が見込まれていただけに、急逝が惜しいです。2019/12/29
MN
2
「リードは文学とロックというふたつの媒体を切り離せなかったことで苦悩と幻滅を味わう。それゆえ、レザージャケットにレイバンという格好で煙草を絶やさないニューヨークのストリート詩人が、試行錯誤を繰り返した結果、金持ちのスターになっても、そのことに喜びを見出せなかった。」2017/01/14
だんごや
1
この本にはルーの発表アルバムの評価が頻出しますが、コケおろしているのかホメているのか、さっぱりわからない批評が多いのは、作者がルー・リードが好きすぎてスキすぎて、ツンデレをこじらせているからなんでしょう。そこが楽しい。それはさておき、ファンなら読んで損はない一冊です。2019/09/23
金北山の麓に生まれ育って
0
【本人と妻公認なんだろう】と思った、「ブルーマスク」やロバート・クインの評価が低過ぎ(リードはクインに厳しいコメントしか残さなかった)、妻と出会って以降晩年の作品への必要以上な高評価故に、妻に関する好悪コメントが著者から全くないのも不自然。でもだからこそ、亡くなる前の本人からも現存していた妻からも公認されているっぽいから、だからこそ調べられた書けた情報もあるだろうから、この伝記が成立するためにしょうがなかったのかもとも思った。リードの複雑な性癖と、歪みながらでも高度な知性が伺える良い本で非常に面白かった。2023/11/26