内容説明
本書はグラフィックデザインについての画期的な手引きであるポール・ランドの名著に1970年以来初めて手を加えたものである。コピーライト、目次、著名なデザイナー・評論家であるマイケル・ビェルートの「新版に寄せて」を追加、読みやすさを考慮した最低限の修正のみとなっている。書かれた当初と同じく、時代に左右されないすばらしいデザインとは何かを教えてくれる永遠のバイブルである。
目次
美しく、目的に適うこと
デザイナーの命題
広告におけるシンボル
シンボルの万能性
ユーモアの役割
創造力と表現
見る者を惹きつけること
昨日と今日
印刷における形式と表現
著者等紹介
ランド,ポール[ランド,ポール] [Rand,Paul]
1914~1996年。出版の歴史にもっとも影響を与えたデザイナーのひとりで、“グラフィックデザイン界のピカソ”と崇拝されている。グラフィックデザインの発達期に革新的な作品を次々と発表し、さまざまな立場や方法での活動が、現在のグラフィックデザインという仕事の基礎となっている。キャリアは、『エスクァイア』誌の広告やカバーデザインから、広告キャンペーンの先駆的アートディレクション、IBM、ABCテレビといった息の長い20世紀の企業ロゴマークの作成まで多岐に渡る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつ
14
ランドの事をあまり知らない状態で読みました。アメリカのグラフィックデザイナーで、バウハウスの影響をかなり受けているようです。適切な要素を最適な配置にすることで、見た人の感情に訴えかけるデザイン。あまり日本で見られない、モンタージュを活かした作品が格好いい。アートをデザインの中で膨らませるための合理的な思考は、マーケティングがデザインを発展させていったアメリカらしいスタイルだったのでしょうか。「なんとなく間の抜けたユーモア」という感覚的な表現を的確に「訴求」に変換する素晴らしさも感じます。再読したい本です。2020/07/11
yosk
1
美しさと実用性の共存。デザインの生み出す感覚的なユーモア。プラトンの国家での発言「何かを学ぶときには強制的にではなく、楽しみながら取り組んだ方が良い」。真のユーモアは心に自然と浮かぶもの。説明するのではなく、感じさせるもの。見る者の創造力をかきたてる。独創的な人ほど伝統を理解し自分のものにし、守るべきか新たな道を歩むかで葛藤する。その葛藤が独特な傑出した表現を生み出す。ありふれたものを思いがけなく活用する。 具体例載ってるが白黒だし、ノンデザイナーには抽象度高くついていけないところ多かったかな。2019/12/20
doji
1
まとまって作品を観ながら彼の考えに触れていると、理路整然とした思考回路から導きだられたグラフィックという解のあざやかさにおどろくばかりだった。さまざまな表現の蓄積から、ここまでジャンプできるアウトプットを出せるひとというのはそういないだろうとおもう。2019/11/09
tt
1
通勤電車の中で一気に読めるほど文章量少なめ・図版多め。この内容を若い頃に書いていたのかと思うと、彼の日々の努力を感じる。シンボルについて書かれている箇所はちょっと煙に巻かれた気分にもなった。ただ、本質的な事を考えるきっかけ、視点をもらえたと思う。再読したい。2016/08/25
mooon
1
デザインの本はどれも似たような事を言ってる気がする…2016/05/30