感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
77
父から勧められた本。既読作品も多し。「狐」は永井荷風の父が主導した狐狩りに付随する他の命に対する残酷さに顔を思わず、顰めてしまう。「魚服記」はままならない生活を過ごす内に家族である父から心理的に離れ、自分の世界に沈んでいくスワの心境に胸が苦しくなる。「川」は、謡曲の「千手」のように時を経てから知る死者からの恋慕に永劫、絡め取られる予感のエロティシズムにドギマギしてしまいました。「水月」は病身の夫に鏡越しに身体を見せる、その視姦によって目覚めた、鏡像を通して強まる美しさへのナルシズム描写は流石、川端康成。2018/01/17
月夜乃 海花
12
大学のある授業で教科書と指定してあり、かつ文学の本なので読んでみました。 私はその授業取ってないので全く関係はありませんが…。 今回は〈異界〉文学を読むということで幻想文学が多めに入っているように感じました。 全部、解読するのは難しかった。泉鏡花とか読むの難しい…。 面白い作品もいっぱいありました! 読んだことある作品も何種類かありました。 作品の後に書かれている解説を先に読んでから読むとまたイメージが変わるかもしれないですね。2018/07/30
chisarunn
4
「奉教人の死」以外は未読だったので、へえ、あの作家がこんな短編を…という程度の感想に留まったのはちょっともったいなかったかもしれない。でも「異界」のとらえかたもなじめないものがあった。2024/04/10
磯良
1
川端の「水月」、確か『掌の小説』に入っていたのではなかったろうか。好きな話。異界だけでなくフェミニズム批評、鏡のモチーフでも読めるのでは。2020/04/29