感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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三島由紀夫のテキストを、同時代の文学的言説・社会状況へのリアクション(否定)として読み解き、物語を批評する言葉(小説)という位相を指し示す、三島の作家論にして戦後文学論。精読すれば、三島はなぜあんな文体で小説を書いたのか、三島はなぜあんな死に方をしたのか、日本の戦後文学とはどのようなものだったのかがはっきりとわかります。すばらしく刺激的な書物です。日本文学の研究書ですが、これはひとつの作品です。とくに三島に興味のある方は、購入して損はありません。テキストを読むということの面白さを、存分に味わえます。2016/09/25