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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
74
流行りの感染症にかかってしまい、自宅療養を保健所から仰せつかって1週間たった。家族には絶対にうつしたくないので完全引き籠り状態の寝たきりで過ごしているのだが、幸い症状は大した事はなく存外に暇である。1日中、本を読んでいても誰にも何も言われないという夢のような日々。さて前置きが長くなったが長らく積んでおいたこの本、今回この様な事がなかったならば一生積んだままになっていたかも知れずその意味で言えば今回の事は僥倖だと言えるかも知れぬ。歌詞の解説にとどまらず、表現者としての戸川の半生を記録。物凄さにひれ伏す。 2022/07/26
ももっち
66
もう、この人の言葉の海にどっぷり浸って溶けてしまいたい。大好きです。あんなに好きだったのに、一時疎遠になった私を赦してください。不世出の歌姫であり詩人。諦念と情熱。執着と執念。暴力的な純真。底無しの哀切。怒濤の恋愛。頽廃したエロス。一つ一つの唄にこめられた空恐ろしいドラマに身震いする。溢れ出す豊富な語彙。ペダンチックでロマンチスト。紡がれた言葉の裏側にあった背景と自らの詩作への意図が語られる本書。溺愛と厳格な躾と虐待から産まれた諦念から死への誘い、生への渇望に変遷する過程は全て、唄の言葉に映っていたのだ。2017/08/30
くさてる
28
10代がヤプーズと共にあった私には、ある意味なにもいう言葉はなく。「サンプルA」大好きだった。「赤い戦車」はなんども泣いた。「NOTDEADLUNA」は一時の自分のテーマ曲だった(イタいと笑いたけば笑え)。ほかにもやまほどの名曲が純ちゃん自身の言葉で語られている。惜しむらくは、すべての曲の歌詞が掲載されていないことだが、それも歌と共にあってこそという意図があると思えば納得がいく。最新のセルフカバー「わたしが鳴こうホトトギス」を早く聴こうと思う。一刻も早く。2016/12/17
阿部義彦
19
戸川純さんの系譜って有りますよね、椎名林檎そして今では大森靖子みたいな。玉姫様は本当に衝撃的でした。今回は歌詞の成り立ちと共に、あまり表沙汰にされていなかった自分の境遇(主に育ち)に付いても語っています。特に父親からは精神的にも肉体的にも虐待されて、母親はそれを見て見ぬふりをしていたとか云々。妹さんの事や自分の自殺未遂の事にも触れられています。その父も今は亡く、妹さんも同様で今は純さんと老いた母のみが生き長らえています。しかし今だ現役、これからも歌詞は書かれるで有ろう!私は「好き好き大好き」が好きです。2016/12/03
不在証明
17
そこまでファンというわけでもない、思い出したころに聴く程度、御多分に漏れず頭のネジが何本もとんでる人、のようなイメージだったが、こんなにもまっすぐな人だとは。しかし期待以上の文章、特筆すべきは「赤い戦車」の項。虐待を受け育った生い立ちが書かれ、やむにやまれぬ事情から(そんなことないのに!)小学生が自殺を試みる姿に涙ほろり、人に騙され暴力の的にされて尚、両親を愛し、私は人に愛されていると言えるのは、すごいな、と思った。2016/12/27