感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
4
残酷なことを言えば、そんなに「新事実」が明らかになるという本ではない。そういう「新事実」やジャーナリスティックな観点からの分析は批評家やライターの書いたものを読めば良い、ということなのだろう。本書はむしろジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーのメンバーとして、つまり「当事者」として生きて来てしまった人間の生々しい独白として読むのが相応しいのではないかと思われる。ピーター・フックとの確執がどうだったのかを読めば、バーナード・サムナーの人柄の誠実さが伝わって来る。ニュー・オーダーはまだまだ終わらない、と思う2016/04/02
小野島 大
3
5ヶ月かけてようやく読破(翻訳本は苦手なのです)。この人は文章がうまいですね。内省的でありながらユーモアも忘れず、エピソード満載で、重苦しい内容でも楽しく読める。アメリカ・ツアーの珍道中記や『テクニーク』制作時のベズの話など爆笑。音楽的なことや、各アルバムや楽曲の制作背景などをもう少し知りたかった気がするが、まずは退屈しないで読める。フッキーとの確執については、もう片方の言い分を聞かないとなんともいえないが、これを読む限り仲直りはなさそう。2016/02/06
zzfog
1
どちらかというと作品からは内省的な印象を持っていたのだが、やはりミュージシャンはミュージシャンなんだな。悪いとは思わないが。2021/09/15
moz
1
今迄読んだ音楽関連本でおそらく一番面白い。2017/07/07
しゅん
1
ジョイディヴィジョン、ニューオーダーファンを喜ばせる回想録として最高。加えて、1950年代生まれの英国労働者階級のリアルが丹念に描いていてとても新鮮だ。生まれ育ったコミュニティの崩壊や市役所での仕事の虚しさの描き方が素晴らしい。音楽を職業にすることの恍惚と不安の中で著者が進んだ年月は不思議な狂騒に満ちて、そのせいかこの回顧録は『百年の孤独』『真夜中の子供たち』のような魔術的リアリズムの匂いを通わせている。そして、バーニーがイアン・カーティスに施した催眠術のテープ起こしが付録。ヤバすぎる。2016/02/03