感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乙郎さん
6
ドイツで独自の発展を遂げたロックークラウトロックの全貌を網羅した一冊。とても面白かった。 どうしてもドイツという国のイメージー硬質であることを反映したような聴き方となり、数々の奇人怪人たちが織りなす音楽はシンセサイザーを用いる、はては工業機械を用いるといったように、機械的、非人間的なものに接近しているような印象。これがプログレやパンクの一端を担い、テクノの発展につながったのかという思い。2023/12/04
阿部義彦
6
クラウトロックと言うと、クラフトワークばかりが、語られ過ぎますが、今回のこの本ではかなり、包括的に、ドイツのロックの流れを捉えており、素晴らしいです。都市別に纏めるなど、なる程と唸らせる作りです。 最近になり漸く、タンジェリンドリームの旧作がCD化されましたが、全体としてクラウトロックは変だけど魅力的だと言うのが私の結論です!この本を入り口として、少しでもドイツのロックを聴こうとする人が増える事をねがってます。でも、やっぱりクラスターって、変だよね!2015/05/14
xtc1961ymo
4
すべてのジャケットがカラー写真で載ってるのが有難い。主にタンジェリンドリーム、クラウスシュルツに関して詳しく知りたいと思ってたので、渡りに船でした。また、欲しいCDが増えてしまいました。とりあえず、ノイ、アシュラ、あたりから集めようかな。都市ごとにまとめると言う案は凄く解りやすくてよいです。女性だけのマラリア!、そしてマタドールなんて、初めて知った、生きてるうちに聴いてみたいわ。でもドイツ人って、やっぱりどこか変だ!2014/08/24
ゴミ
3
この本は凄い。サイケ~テクノまでに至るクラウトロックを網羅。著者のジャーマン愛溢れるディスクガイド。今までジャーマンロック、NDWについては人海戦術による手段でたどり着かなければならない分野だったのでかなり貴重な水先案内人として機能。もちろん中身は秀逸の一言。かなりの熱量があり、読後には絶対この本からピックアップしたアルバムを聞いてしまいます。2014/12/19
maana1119
3
この種のディスクガイド本は玉石混淆で、中にはデータのいいかげんなものや、書き手の勝手な思い入れを垂れ流すだけのものなど、ひどいものもあるのだけど、この本はすごい。定番からレアアイテムまで抑えるべきところはきちんと抑えて、拠点となる都市と時系列によるわかりやすい配列、コンパクトで的確な解説。著者は音楽業界の人とはいえ、収録したミュージシャンの多くと実際に会って取材してるというのだから、そこらのDJやコレクターの書いたものとは次元がちがう。とりあえずドイツに関してはこれ1冊持ってれば当分大丈夫。2014/09/19