内容説明
工藤美代子、産経新聞、日本会議、自民党文教族、小池都知事、百田尚樹…彼らが掲げた「虐殺否定」は幼稚な“フェイク”だった！虐殺否定論とは認識の誤りではなく、人をだます目的で仕掛けられたトリックなのだ。
目次
第１章 虐殺否定論はネット上のフェイクである（関東大震災時の朝鮮人虐殺とは、どのような事件だったのか；「朝鮮人虐殺はなかった」という「説」は存在しない ほか）
第２章 虐殺否定論はトリックである―虐殺否定論を「発明」した工藤夫妻／“トンデモ本”ではなく“トリック本”（震災直後の流言記事を「証拠」扱い―「暴動」を否定する１０月以降の記事は黙殺／虐殺研究書から流言記事を抜き出して否定論に悪用；政府隠蔽説の根拠は「お父さんの一言」―膨大な記録が残る虐殺の史実 ほか）
第３章 虐殺否定論は社会を壊す（『日本国紀』にも登場する虐殺否定論；拡散する虐殺否定論 ほか）
付録（工藤夫妻の示す「証拠」史料を検証する；中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会災害教訓の継承に関する専門調査会報告書平成２０年３月（２００８年） １９２３関東大震災“第２編”）
著者等紹介
加藤直樹［カトウナオキ］
１９６７年東京都生まれ。法政大学中退。出版社勤務を経てフリーランスに（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
103
2月13日(土)深夜に東北で激しい地震があった。翌朝起きたらTwitterには、関東大震災時の「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマを再発させた悪質ツイートが流れていてけしからん事この上なかった。さらに翌日になっても、南相馬におられ、地震被害者である柳美里さんに差別ツイートを送り付けている人がいて腹が立ち、さすがの私も通報した。関東大震災時の在日朝鮮の方々も被害者なのに、悪質なデマで自警団に虐殺された。本当にごめんなさいである。しかし工藤美代子夫妻は著書でこの歴史を意図的に消そうとした。その手口たるや。2021/02/11
スプーン
45
真摯な著者の、真摯な本。「大切なこと」を知りたい人向けです。2023/01/09
おかむら
38
関東大震災のときの朝鮮人虐殺。無かった派が根拠としている工藤美代子の本の叙述トリックを徹底検証。工藤本(読んだけどかなりのトンデモ本)がこんなにも影響を与えてるとは驚き！ 無かった派の人々はネットに投稿したり苦情の電話したり議員に陳情したりととにかくマメな感じがするので、ってかすでに「あれって諸説あんでしょ？」って言われだす時点で無かった派の勝ちという指摘は非常に怖い。それにしても工藤美代子＆夫、どういう人なんだか気になるわー。2019/12/17
奥澤啓
34
『九月、東京の路上で』の加藤直樹氏が十年程前から広がりつつある関東大震災時の朝鮮人虐殺否定論の「トリック」を検証し批判する。新聞、公文書なども多数実物が紹介されているが、紙面が鮮明で読みやすい事が非常にありがたい。資料類をそのまま紹介する本は読みにくい場合が多い。それに資料類はおいそれと一般市民は眼にしない。眼にはしないがネット上ではそれらが拡散され、否定論が拡散しつつあるのが現状だ。きわめて明快な内容と見やすい紙面。『九月、東京の路上で』と合わせて読むと得るところが多いと私は考える。版元にも敬意を感じる2019/09/02
ばんだねいっぺい
28
まさに「ＴＲＩＣＫ」。というかむちゃくちゃ。そもそも諸説はないところに、「否定派」として二項対立させることが目論見とは、意味不明だ。 現に、また、災害が起こるし、移民も増える、日本人のレイシズムのスイッチを起動させないためにも、戦争犯罪の事実とこれまでの償いの取り組みを伝えるべきだと思った。2019/08/23
