出版社内容情報
1985年ソウル。大学生になった元反共少年のヨンホは、軍事独裁に抗議する市民が虐殺された光州事件の真実を知り、民主化運動にのめり込む。
しかし、軍政下の韓国では強大な権力の前に、また北朝鮮を真に恐れる市民の前に、敗北続きとなり、ヨンホも投獄されてしまうーー
1987年の民主化をなしとげた韓国の一人ひとりの群像劇を、新進漫画家のチェ・ギュソクが描きだす、異色の韓流コミック。
翻訳は、『九月、東京の路上で』などの著作がある加藤直樹。
2016年日本語版刊行後の南北朝鮮の状況を新たに解説し、また『沸点』をより深く読むためのシネマガイドなどを増補した一冊(本編は旧版と同一)。
チェ ギュソク[チェ ギュソク]
著・文・その他
加藤 直樹[カトウ ナオキ]
翻訳
クォン ヨンソク[クォン ヨンソク]
解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tellme0112
7
本屋に行って買いたかったのですが、どこの本屋で買うか選択するのに時間がかかりようやく、神保町チェッコリで購入。増補版が嬉しい。ノンブルが仕上がりから一ミリぐらいなのは、漫画に注釈が入ってるからなのね。ギリギリでここまで攻める。下流部門の技術者に敬意を…2018/10/19
二人娘の父
6
前回読んでから約1年半。特に「韓国からの通信」4巻本を読んでから、解像度がかなり高まったうえでの再読。「維新」時代(朴正熙独裁政権時代)と、1987年の継続性に、あらためて目を剥く思いだ。昨年末の「戒厳発令」の流れが自分なりに理解できていくことができたのが収穫だった。2025/02/24
二人娘の父
6
コミックで体感する韓国「6月民主化抗争」。1987年の民主化=憲法改正で大統領の直接選挙などを実現した一連の「革命」が、名もなき学生や市民目線で浮き彫りにされる。光州事件以降の韓国社会の変化を、まとめて学びたい方には、イチオシ。というかみんな読んで。2023/05/04
Iwata Kentaro
5
献本御礼。めっちゃくちゃ面白かった。とにかくオススメ。 やったことはないが、学生運動というと今の日本ではネガティブなイメージしかないのではないか。世間知らずの若者が空想的、ときに暴力的に「世間に迷惑を掛ける勝手な行動」をし、それは大衆の共感を得ずにあえなく失敗に終わる。日本で学生運動が何かを生み出した、という事例をぼくは知らない。 2021/03/18
ara_shinya
2
韓国の民主化運動の事は映画とかで見かけはするもののあまりちゃんと知らなかった。この本を読むと当時の雰囲気がなんとなく理解できた気がした。「日本は民主化を自らの力で手に入れてない」というのがよく分かる。取り調べ中の拷問で22歳で亡くなった朴鍾哲が同い年であったことを知った。2024/11/24
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