内容説明
本書はこれまで未発表の資料も多数収録された本格的評伝としてファン待望の一書である。代表作『百億の昼と千億の夜』でSF界に異彩を放った光瀬龍。鬼籍に入った今も多くのファンを魅了してやまない。光瀬を師と仰ぐ著者は、激愛と人生に悩み、思索の森を巡り歩いた作者の姿に感動!夫人との800通に及ぶ往復書簡、書斎に残された日記、膨大な資料をベースに、生前彼と親交のあった人々を訪ね歩き、光瀬の知られざるエピソードや、作品に投影された彼の人生を追憶。作品の真意を解いていく。
目次
阿修羅展二〇〇九年
「魂の墓碑銘」の時代
機会
SF作家の眠れない日々
探求の軌道
再び「阿修羅展」
著者等紹介
立川ゆかり[タチカワユカリ]
東京に生まれ、岩手の花巻市で育つ。第23回「北の文学」(岩手日報社)での受賞を機に小説・評論・エッセイ・コラムを雑誌や新聞に発表。岩手県芸術祭「随筆部門」選者・講師(2001年~2005年)。大衆文学研究会神奈川支部会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
81
光瀬龍がマイ・ブームの私です。未読だったこの評伝本を読みました。「光瀬先生にはこんなロマンティックな実人生が!」と感動したのですが。アマゾンでは「50年来の光瀬読者」の方の「この評伝の作品引用は、かなり恣意的に不正確です。細かい語句の違いはもちろんですが、元の作品にはない言葉を勝手につけ加えたりもしています。」というレビューが。しかし確認してみると、レビュアーの方が「引用」ととらえた箇所は、「本文あらすじ紹介+最後の1文のみが原文」であったのを誤認されたようで…。確かに誤植は多いですね。力作評論でした。2024/09/27
まんだよつお
6
大好きな光勢龍氏の伝記。妻との大恋愛、家族思いなど、東洋的無常観と評されるその作風からは想像もできない実人生に驚く。残念なのは、とてもプロの仕事とは思えない稚拙極まりない編集と造本。挿入図版のレイアウト、不親切な図版ネーム、読みづらい注の構成。何の工夫もしていない、ただ流し込んだだけのやっつけ仕事と言われても仕方ない。2017/10/13
春風
5
未公開の日記や手紙も利用して書かれた力作評伝。『百億の昼と千億の夜』を私小説として読み解いた部分も面白い。誤植が多いのが残念。2017/08/02
izumone
2
中学生の頃,発刊されたJA文庫を乏しい小遣いで買っていた時のことを思い出した。もちろん,読んでもよく分からなかったけど,「分かりたい」と惹かれるものがなぜかあった。いま評伝を読み,あの頃以後の自分の人生と対比させてみると,もちろん比べるべくもないが,志向や時間線に何かかするようなものを感じる。氏のいない世界をもう十数年生きているのか。。。2017/08/29
takao
1
ふむ2024/12/25