出版社内容情報
まわりのものをよく観察して発見したことを報告する「ちきゅうかんさつたい」のトモヤが発見したものは? オールカラーの幼年童話。 トモヤは、病気のためにベッドで過ごすおじいちゃんと「地球観察隊ごっこ」をしている。まわりのものをしっかり観察して、発見したことを隊長のおじいちゃんに報告するのがトモヤの仕事。土手にたんぽぽが咲いたこと、苦手なクラスメートのことや、通学路の変化など、小さな発見を分かち合うよろこびは、ふたりの心をあたたかくつなぎ、主人公の成長を導いていく。
研ぎすまされた文章とオールカラーの光あふれる色彩で、春から夏への季節のうつろいの描写も鮮やかに、生きることのよろこびを強く訴えかける作品。『センス・オブ・ワンダー』訳者の上遠恵子さんとJT生命誌研究館の中村桂子さん推薦・折り込み解説付き。
全国学校図書館協議会選定図書。
松本聰美[マツモト サトミ]
著・文・その他
ひがしちから[ヒガシ チカラ]
イラスト
内容説明
よーくかんさつしたら、せかいはたからもののはっけんでいっぱい!小学1・2年生から。
著者等紹介
松本聰美[マツモトサトミ]
兵庫県生まれ。同志社女子大学家政学部卒業。日本児童文学者協会会員
ひがしちから[ヒガシチカラ]
大分県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chiaki
32
ちきゅうかんさつたいいん1号のぼく。隊長は寝たきりのおじいちゃん。1号のぼくは、学校から帰ると真っ先に身の回りの出来事を隊長にほうこくする。最初から悪いと決めてかかるのではなく「まてまて。もうすこしかんさつをつづけよう」と言う、おじいちゃんとぼくとの関係がとても素敵。「もうすぐ、うちゅうほんぶのたいいんにえらばれるかもしれない」というセリフには、予想されるこの先の展開に胸が痛む。たいいん1号、これからもはっけんノート、書きつづけてくれたまえ。この本は是非我が子に欲しいです。2019/04/02
のり
18
優しい心は優しい心が育てる…。おじいちゃんが自分が亡くなっても寂しくないように、探検隊と称してトモヤに言った言葉たち。みんな、こうやって、まわりの人や物を観察して、考えて思いやるコトができたなら…。優しい児童書。低学年から読める。2021/01/04
そうさん
10
7歳。タイトルと絵からは想像していなかった、悲しいことが。途中から予期はしてしまったけれど、それでも悲しい。読みながらうるうるしてしまった。子どもも最後はちょっとしんみりしていた。2022/01/20
西澤 隆
6
もう病床から起き上がることができないおじいちゃんは、でもトモヤをポジティブに、ポジティブにと導いてくれる素敵なひと。目に映る全てのものは本人がくだらないとおもえばくだらないし「!」だと気付けば「!」なのだ。ヤなヤツの「!」だって見つけられるかもしれないし、そういう考え方を体の中に埋め込んでいくことができれば、案外と強く生きていけるかもしれない。その事を「~するべき」ではなく「~するとワクワクするだろ」ってアプローチで孫に教えられるジィさん。やがて去る行き先の伝え方も素敵です。こういうジジィになりたいなあ。2017/06/03
ふう
4
自分のまわりをよく観察して、困っている人がいたら助けちゃう、ちきゅうかんさつたい。子どもにとって、こんなおじいちゃん…いえ、たいちょうがいたら、楽しくて仕方ないだろうと思います。悪い面の裏にも、よく見続けるといい面がある。自然は毎日変化していく。そしておじいちゃんの体も…。日記のようなストーリー運びがそれらの「時の流れ」をうまく表わしていると感じました。2017/05/25