内容説明
ジョルジュ・バタイユの“恋愛論”。「聖なるもの」を求めて、ミシェル・レリス、ロジェ・カイヨワとともに“社会学研究会”を立ち上げたバタイユが、結核で死にゆく恋人ロールとの共生のなかで描いた“恋人たちの真の世界”。分業がすすんだ社会で機能に奉仕し生き生きとした生を失う実存に、バタイユは断片化されない生を直接経験する「見つめあう恋人たち」を対置する。恋人・運命・偶然・共同体・神話…これらの概念を交差させ失われた実存の総合性への回帰を探る。
目次
欲求がないことは満足がないことよりも不幸だ
人間でありたいという欲求を失った人間
学問の人間
フィクションの人間
行動に奉仕するフィクション
行動の人間
行動は、人間の世界によって変えられ、この世界を変えることができずにいる
分裂する実存
完全な実存と、愛する存在のイメージ
愛する存在の幻影的な特徴
恋人たちの真の世界
ひとまとまりの偶然
運命と神話
魔法使いの弟子
著者等紹介
バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ] [Bataille,Georges]
1897‐1962。二〇世紀フランスの総合的な思想家。小説、詩も手がける。生と死の狭間の感覚的かつ意識的体験に人間の至高の可能性を見出そうとした。その視点から、エロティシズム、芸術、宗教、経済など、人文系の多様な分野で尖鋭な議論を展開した。キリスト教神秘主義、シュルレアリスム、ニーチェ哲学などに思想の影響源がある
酒井健[サカイタケシ]
1954年東京生まれ。現在、法政大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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