内容説明
新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件。著しい社会変化があった3度の夏、それでも生活は続いていく。迷い、怒り、喜び、苦しみ、考え、先へ向かう、注目のフリーランスライターによる3年間の日記。どうにかここまで来た、と思う。
目次
鍵をかけない部屋
消毒日記 2020年
隣人的 2021年
私はエラー
大丈夫 2022年
著者等紹介
小沼理[オヌマオサム]
1992年富山県生まれ。ライター。人文系の著者インタビューなどを中心に行う。Webマガジン「アパートメント」管理人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まなみ
6
小沼さんによるコロナになってからの3年間の日記。当時のニュースも記されつつ、日々の思いを綴る小沼さんは自分に真摯に向き合っている印象。学びになった1冊だった。ちょこちょこ出てくる献立が生活感が出てて好きかも。2023/07/31
みじんこ
4
コロナ禍初期から始まる日記。「正直に語ろうとすること」が重要とのことで、ゲイの視点からの社会と政治への違和感も恋人とのことも料理(食べてみたくなってくる)のことも一緒にして率直に思ったことを書いている。内省的でやや気質が不安視寄りなところが自分にも少し近いと思えた。当時の自分を思い出しつつ、忘れている出来事もあった。個人的には、マジョリティの基準に照らし合わせてクリアしてるか否かという点で測ることは、不可視化されているそうでない人をより見えにくくするという意見が印象深く、その通りかもしれないと思った。2024/09/14
Ryuta
3
ちょうど自分も同時期に姉とPodcastをしていたこともあって、「あの時自分たちもこんなこと話していたなぁ」等と思い出しながら読む。日々の生活から政治・社会についてまで色んな話題が登場するけれども、(日記だから当然だが)生きている感がして、他人の生活を垣間見ている新鮮さがあった。2023/03/26
らじょ
2
2020~2022年のコロナ禍においての日記本。 生活感が溢れてるところは面白かったが、価値観や考え方の違いか「楽しい」って感じが全く無くてこれは違うな。 自分なりの行動基準を持ってるが、それを「思考停止に陥るリスク」って書かれたら、お前はなんなんだって思う。 twitterで情報拾う姿に、必要以上に情報追うのやめろって感じる。2024/03/02
natsumi
2
日記ZINEの書籍化。日記をつけるスタンスについてのまえがきの時点でそれってほんとにそうだ〜とうなずきまくる。自分の考えや立ち位置を日々書き続けるうえで、「なめらかな連続性があるときほど何かを切り捨てているのかもしれない」「迷い続けるほうが健全」という言葉も、今感じている色々なことへのちょっと待ってという気持ちに通じていた。最近の世の中の結論までの近さ速さにとまどうのは、目的地まで時間がかかるから考えられることがあると体感ではわかっているから。日記の中の2020〜2022を追体験しながらあらためて感じた。2023/04/06